爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

G7 今度は農相会合、暗闇の中を手探りで崖に向かって進む。

G7の各議題についての担当相の会合が立て続けに開かれていますが、今度は農業関係の農相会合ということです。

www.sankei.com

ウクライナ危機で食糧の供給が途絶える危険性がはっきりと示されました。

さらに食料生産においても肥料が不足するという危険性も見えてきました。

 

ただし、G7という世界をリードする?先進国といっても、カナダ、アメリカ、フランスは食糧生産国でありその輸出も大きな外貨獲得の方策です。

www.maff.go.jp

ただし、その3国はカロリーベースの方が高く、生産額は低い、つまりあまり金にならない作物を多く生産しています。

日本に似ているのはイタリアです。

ドイツ・イギリスはカロリー・生産額どちらも似たようなもので60-80%程度でしょうか。

つまり、日本がもし自給率をアップさせることができれば(可能性は低いですが)特にアメリカは食糧輸出額が減少することになり、必ずしも好意的な態度ではないはずです。

 

まあ各国の意見がまとまるとは思えません。

 

とはいえ、日本の都合だけを言えばやはり食糧生産は強化することがもちろん必要であり、農地をつぶして太陽光発電などはもってのほかなのですが、それを明言する人はあまり居ません。

 

肥料供給の危険性も大きな問題ですが、それに対処するために「有機農業」というのは難しい話です。

現状の有機農業では、その主な原料として畜産堆肥があてられますが、その起源は家畜の飼料、すなわちほとんどが輸入穀物であり結局は輸入資源に代わりはありません。

もしもそれもストップしてしまえば有機肥料自体もストップということです。

本来の「循環型有機農業」であれば、農産物を生産したらその産品を本当に「地産地消」しそれを食べた人たちの排泄物をすべて農地に還元しなければ循環できません。

もしもその産物を都会に販売したら都会から排泄物を回収しなければならないのですが、そんなことは不可能でしょう。(江戸時代の江戸からの屎尿還元のようなことになります)

 

どうも政治家たちの言っている「持続可能性」というのはそれほど長い時間を考えていないように見えます。

せいぜい10年も持てば良いと思っているのでは。

「永遠に」続くのが持続可能性ですが、まあそこまでは無理としてもやはり100年、1000年程度は視野に入れて考えなければならないのです。

100年先には石油や天然ガスはもはや使うことができません。

1000年と言わず200年でも石炭も無くなるでしょう。

その時におもちゃのような太陽光発電風力発電に頼ることができるかどうか。

そこに至り「本当の循環型農業」しか生き残れないとなれば、人類社会自体も変わらなければ存続できないということです。

 

とりあえずは、G7農相会合では何一つ決まることは無いというだけは確かです。