爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

習近平独裁体制強化はどういう意味を持つのか、田中宇さん「国際ニュース解説」より

習近平がこのところの中国共産党の慣例となっていた主席は2期10年までということを打ち破り、3期目に入ったことを日本では習近平の権力志向によるものと言った解析をしていますが、それについて田中宇さんが解説しています。

tanakanews.com

主席は2期10年というのは鄧小平以来のことであり、鄧小平は次は江沢民、その次は胡耀邦が10年ずつやれと言い残して死んだそうですが、その次までは言わなかった。

習近平を引き上げたのは江沢民であったが、その路線については限定はしてなかったとか。

 

鄧小平の路線というのは、アメリカ資本主義の下請けの製造業で儲けるという市場重視でしたが、世界のアメリカ覇権というものが崩れかかっている今となってはこれを続けるのはもはや意味がないと判断したのが習近平であるということです。

 

しかし、中国共産党の内部にもまだこの路線の信奉者は数多く、これまでのような集団指導体制ではまとまめることは難しいために習近平は独裁体制強化を狙ったとか。

 

さらに、現在もあちこちで続けられているゼロコロナ原則固持の都市封鎖も、感染者対策というよりは市場重視路線の者たちを洗い出し粛清するための目的で行われているということです。

 

こういった路線では経済成長ができなくなるという見方もありますが、実際にはどうなるかは分からない。

しかし習近平アメリカの下請け産業で儲ける路線は終わらせ、ロシアやアジア各国、アフリカ諸国などを影響下に入れた世界体制を構築していくということでしょう。

 

いつも常識的な世界観とはかけ離れた話で楽しませてくれる田中さんですが、さてこの観測はどうでしょうか。

相当な荒療治であることは確かであり、米日などが主張する武力による台湾併合などと言うことよりもよほど世界的な影響が強いものになるでしょう。

田中さんはかねてからアメリカは世界支配を止めようとしているとも主張していますが、表面的にはそうは見えないようにもしています。

またトランプが大統領選出馬ということですが、トランプになればこの方針は強化されそうです。

ただし、中国も国内情勢はさらに厳しくなるでしょうし、どうなるか。

いずれにせよ今後の世界はアメリカと中国との関係で決まってくるでしょうし、アメリカに盲従する日本の姿勢も正しいのかどうか問われることになるのでしょう。