東京都が打ち出した「太陽光発電住宅設置義務化」という暴挙に対し、ネットやユーチューブで反対の声が上がっているようですが、その反対を「ヘイト」だと断罪し切り捨てて進めるべきという意見を東大准教授という人が書いていました。
どうも私は「義務」とか言われることに極度に反応するためか、東京都の太陽光発電義務化などいう話が出た時にはぞっとしたのですが、それとは逆の反応をする人もいるということでしょうか。
なぜここに「ヘイト」が、というのが最初に見た時の感覚です。
まあ英語でhateと使えば「嫌う・憎む」といった単語ですが、ここはもちろん、「ヘイトスピーチ」や「ヘイトクライム」といった、人種差別を意識したものに使われていることを十分に考えて使っているのでしょう。
これを書いた人は現在は東大准教授ということですが、国の研究所などを歴任し25年以上の研究歴があるとか。
さすがにそういった社会でのし上がってきただけあって、論争の主導権の取り方といったことにも長けていらっしゃるようです。
おそらく、人権問題としての「ヘイト」については、この方はそれほど詳しいわけではないでしょう。
しかし、そういった専門家からは苦情が来る危険性も少なく、さらにこの対象としている有名ユーチューバーたちはこのような雑文など見向きもしないことを十分に理解したうえで使われているものと思います。
そういった、かなり微妙な意味合いをもつ「ヘイト」という言葉を使い、人々の注目を奪った上で、自らの土俵に引き込もうということでしょう。
ただし、その次に「ユーチューバーたちの言い分(太陽光ヘイト)」として挙げている、「家が高くなる」「屋根が傷む」「パネルは輸入品ばかり」「パネルの廃棄は」といった疑問に対しては、答えようともせずに「一つ一つに反論することは限られた文字数を割く余裕がありません」と切り捨てです。
これは「ヘイト」でしょうか。
極めて当然の疑問のようです。
「パネルは輸入品ばかり」というのは、現在では中国製がほとんど。それもこれまでに取り上げたように「中国では安い石炭火力発電で製造しているから太陽光パネルも安い」という、太陽光発電の最大の問題点を内蔵している点です。
「パネルの廃棄は」という疑問を「ヘイト」とはなんたる暴言でしょうか。
すでに大量廃棄が近づき、大変な問題となりつつあるのに、それが解決できる見通しもないままさらに大増産につなげようとは。
原発の放射性廃棄物の問題は決して他人事ではないというところでしょう。
さらに太陽光発電の経済性については、例の国民全体に負担を強いる賦課金に加え、東京都では多額の補助金もつくから大丈夫とは。
このような賦課金・補助金がいつまでも続くものか。
すでに大量の使用が始まっているにもかかわらず、このような施策が必要な技術とは一体何なのでしょう。
あくまでもスタートアップ時のブースターならともかく、もはや補助金なしではできないのは既に存在が許されない技術ということでしょう。
太陽光発電にこれまで人生を捧げてきた方なのでしょうが、ちょっといただけない話でした。