来年の北京オリンピックには、日本政府は閣僚は派遣しないものの、現職国会議員である橋本聖子オリンピック組織委員会会長は出席させるという、非常に姑息な手段を取ることとしたようです。
アメリカからの自らの外交ボイコット政策への同調の圧力はあったのでしょうが、経済関係の緊密な中国に対しそのような姿勢を取るわけにもいかないということでしょう。
しかしどう見ても中途半端でどっちつかず。
双方から不信感を抱かれることは必至という態度に見えます。
二大勢力が争う時に周辺の弱者が日和見をするのは両者から敵視され、争いが片付いた後には真っ先に粛清されるというのは歴史的にも何度も起きていることです。
アメリカなどが中国について最も重大な問題だとしているのは、新疆ウイグル自治区での人権侵害です。
香港での民主派弾圧、台湾へ対する圧力も強く意識されているのは間違いないでしょう。
前にも書いたように、アメリカが人権など言える資格があるかどうかが大きな問題であり、一方的な人権に関する批判というのは正当性があるか疑問があります。
ただし、これは中国の人権軽視政策を擁護する趣旨ではありません。
アメリカの宣伝の10分の1が真実であったとしても、その人権無視の程度はとても容認できるものではなく、中国に徹底的に事実公表を求めていく必要があるでしょう。
こういった場面での中国の決まり文句は「内政干渉は認めない」ですが、人権に関する限り「内政不干渉の原則」をどこまでも認めるべきではないと考えます。
なお、アメリカの「オリンピックの外交的ボイコット」もまったく中途半端な政策であり、もしも本気なら選手派遣のボイコットだけに止まらず、経済制裁や貿易封鎖なども辞さずに正々堂々と振る舞うべきであり、誰も困らないようなボイコットなどは何の役にも立たないものでしょう。
フランスや韓国もアメリカに同調はしないようですから、日本も放っておいてよいのではないかと思いますが。