グラスゴー(”イギリスの”と言うと違和感を覚える人も居るようです。”スコットランドの”)で開かれていたCOP26は、最終合意案の取りまとめに苦労したようで、会期を延長してようやく合意に達し、閉幕したようです。
news.yahoo.co.jpその場で、議長を務めたイギリスの前ビジネス相のアロク・シャーマ氏は思うようにまとめられなかったことについて、「涙ぐみながら」謝罪したとか。
揉めた点は、イギリスの最初の案では「石炭使用を段階的に廃止」としていたものが、インドや中国の反対で結局「石炭使用を段階的に削減」にトーンダウンせざるを得なかったということです。
「泣くほどのことか」とも思いますが、思い入れも強かったのでしょうか。
しかし、インドや中国、そして多くの新興国は石炭使用が不可避のところも多く、それを具体的な支援の裏付けもなく放棄することはできないでしょう。
振り返れば、まず「石炭だけ」とも言うような姿勢自体がおかしなものです。
石炭ほど二酸化炭素排出量が少ない(単位当たり)とはいえ、天然ガスも石油も燃やせば二酸化炭素排出をし、しかもかなりの熱量を伴うのは当たり前で、これらもすべて使用を「段階的に縮小し廃止に持っていく」のであるなら、それを堂々と主張すれば良いだけの話で、そちらは触れずに(あるいは触れるとしてもこわごわと)石炭だけを辞めましょうなどというのがおかしい。
どうせ、現在の経済活動の枠組み自体は変えたくないという思いからなのでしょうが、それではいつまでたっても動くはずもありません。
それにしても「気温上昇を1.5℃に抑える」などと、あたかも二酸化炭素排出量をコントロールすれば思い通りに気温も制御できるかのごとき発言が相次いでいます。
思い上がりも大概にしろというところでしょう。