爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

太陽光発電の二酸化炭素排出は実際には非常に多いという指摘。

またも杉山大志さんの記事です。

引用することが多いのですが、私の考えている問題点と非常によく一致することを書いていることが多いので、参考になります。

agora-web.jp太陽光発電二酸化炭素排出は実際には非常に多く、天然ガス火力の半分に達するということです。

元になっている論文はイタリアのエンリコ・マリウッティという研究者のもので、要点が箇条書きにまとめられています。

 

  • 中国製の製品なので、製造時には石炭を多用しているはずだが、それを考慮しておらず、世界平均の発電時CO2原単位を用いている
  • 中国では石炭採掘時のメタン発生も多いはずで、その温室効果をCO2の量に換算する必要があるが、それが考慮されていない
  • 太陽光発電の為に建設される送電網の整備時に発生するCO2排出を考慮していない
  • 太陽光発電の為に設置されるバッテリーの製造時に発生するCO2排出を考慮していない
  • 太陽光パネルを設置することで、太陽光反射が減少する。この分をCO2排出量に換算する必要があるが、考慮されていない。

特に大きいのは中国でのパネル製造時に石炭火力発電を多用しているということだと思いますが、それ以外にも多くの抜け落ちた(恣意的に落とされた?)者があるように思います。

これも何度も繰り返していますが、パネル以外にもその部品として使われているすべての素材の製造時の二酸化炭素発生量などはほぼ無視されているはずです。

 

これらを考慮していくと、二酸化炭素排出原単位はkWh当たり245gCO2になり、日本の最先端の液化天然ガス使用の火力発電の、同じく320-360gと大差がなくなります。

 

日本の電気事業連合会が発表している値が38gですので、桁違い。

さて、どちらが真の値に近いのでしょうか。