リスク学の永井孝志さんが取り上げていたことは先日引用しましたが、食品関係のサイトFOOCOM.NETでも農薬関係専門の斎藤勲さんが取り上げていました。
永井さんの方ではあくまでもリスクという観点からの見方がされていましたが、こちらでは農薬残留基準の問題点などより詳しい解説になっています。
農薬の残留基準値の設定は、その農薬を使う作物の場合とそれ以外で大きく異なります。
許可されている作物に使われる農薬の場合は、安全性評価を行いADI(一日摂取許容量)というものを定め、そこからさらに作物に残留していてもその値に届かない量を設定します。
グリホサートの場合、コムギや大豆にはその値が設定されており、コムギでは20ppm、大豆では30ppmという値になっています。
しかし、その農薬を使うことが想定されていない(許可されていない)作物の場合は「一律基準」という厳しい基準が設けられています。
これが、「0.01ppm」という値であり、今回のはちみつ中のグリホサートもこれが適用されているので、基準値越えとなったわけです。
ここまで厳しい値を設定しているのは、農薬の使い方が異常だったということを示すからという理由であり、安全かどうかはあまり関係していません。
今回も一律基準の5倍超過であっても0.05ppmであり、コムギなどの基準値よりはるかに低い値で、危険性は考えられないのですが、それでも商品の全品回収となってしまいました。
実は輸入はちみつにもこの程度の基準値越えの例は見られるそうです。
何らかの対策が必要なのでしょう。