小島正美さんの「フードニュースオンライン」はこのところ1か月以上更新されていなかったのですが、別件でお忙しかったようです。
久しぶりの更新で出てきたのが「食の安全はなぜ伝わらないのか」
具体例はあまり示されていませんが、最初に総括的な内容を持ってきています。
小島さんは新聞記者として食品関係の記事を長く書き続けていますが、これまでの食品の安全関係で得られた印象が次のものです。
食の安全に関する記事を30年以上書いてきましたが、食品添加物やゲノム編集など新しい食品については、事実に基づき、科学的に安全がいくら証明されても、消費者の「安全なのか」という疑問は解消されることがありません。
この根底にある心理からは、「人の”安全観”は主観的なものであり皆異なる」ということが言えるということです。
遺伝子組み換え作物というものはすでに数十年も作られ続け、家畜はほとんど飼料として食べており、人間もかなり口にしているのに、それが原因で被害が出たということはほとんどないにも関わらず、多くの人は「それでも不安なので食べたくない」と考えています。
これに対して、いくら科学的な事実を積み重ねて示しても、その態度は変わりそうもありません。
「リスクコミュニケーション」を尽くして説明しても、やはり無駄になりそうです。
科学に頼る前に、相手がどのような価値観を持っているかを知らなければ議論にもならない。
小島さんの今回の記事はここまでですが、今後も具体例をあげて続くそうです。
私もどうも「科学優先」の意識が強いので、それを越えて行かなければならないと言われても困ってしまいますが、実際のところはそうなのでしょう。