爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「大豆食品が前立腺がん死亡リスクを高める」小島正美さんのフードニュースオンラインより

小島正美さんが連続して食品関連のニュースを書いておられる「フードニュースオンライン」で、大豆食品の摂取が前立腺がんによる死亡リスクを高めるという研究結果が発表されたという件について触れていました。

foodnews.online国立がん研究センターが行っている多目的コホート研究で、長期間にわたって多くの症例を調査しているのですが、その中で大豆食品の摂取量が最も多い人々では、前立腺がんによる死亡率が1.76倍高かったということです。

 

これは、大豆の成分の中でも人体に影響を及ぼすとされているイソフラボンによるものと考えられます。

イソフラボンは女性ホルモンと類似した構造を持つため、その作用も似たものと考えられています。

そのため、女性ホルモンの分泌が衰えた高齢女性に有効とも考えられるわけですが、それでは前立腺がんの発生する男性には良くないのでしょうか。

 

そうではなく、イソフラボンはがん細胞の増殖や血管新生阻害を防ぐという作用もあるため、癌の防止にも役立っていると考えられます。

 

それでも、悪化しやすい進行性の前立腺がんについては死亡率を高めるという働きをしてしまうようです。

 

一般論ですが、「健康に良い食べ物」というものはありません。

その食べ物に含まれる成分が体内のどこかに何らかの働きをするのですが、それがたまたま良い方向に作用する場合もあり、悪い方向に作用する場合もあります。

「何々は健康に良い」といった話があふれていますが、そんな旨い話は無いということなのでしょう。