爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「CO2ゼロ加速」だそうで、”技術革新”したところでダメなものはダメ。

我が家でとっている熊本日日新聞の11月1日付け朝刊(我が家は朝刊だけの契約ですが)に載っていた記事に以下のようなものがありました。

(なお、相変わらずネットには一部の記事しか上げられないので、概要は手で書き写します)

 

「大手電力 CO2ゼロ加速」

菅首相温室効果ガス排出を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げたことで、大手電力も再生可能エネルギーなどの他にも対応加速する。

 

ということで、その対応とやらが列挙されています。

水素、アンモニア、カーボンリサイクル、洋上風力発電

それぞれ一言ずつ特徴と現状が書かれています。

 

私も「化石燃料使用の速やかな削減」は主張していますが、この「CO2ゼロ」とは大きな違いがあります。

 

「CO2ゼロ」に誤魔化されていると、上記のようなおかしな対応に入り込んでしまう危険性が大きくなります。

 

水素、アンモニアを用いた技術などといっても、その原料はどうするつもりでしょうか。

水素は現状では原油から迂回させて取り出すくらいしか現実的な供給方法はなく、かえってエネルギー損失が大きくなるものです。

風力発電などで余剰電力ができたら(そんなもの出るはずもないが)それで水を電気分解して水素を取り出すなどと言っていますが、これもエネルギー損失が多大になります。

アンモニアに至っては、それが燃料になるということすら驚きですが、効率はひどいものでしょう。

カーボンリサイクル、洋上風力発電なども設備メーカーを喜ばせるだけ。

得られる効果の少なさと投入エネルギーや資材の巨大さとのバランスはどれだけ技術開発に力を入れたところで取り戻すことはできません。

 

これも科学技術というものへの無知から来る誤った期待と、それを利用して開発費を騙し取ろうとする開発技術屋の姦計とが作り出すのでしょう。

初めから無知そのものの政治屋などを手玉に取るのはいとも簡単なことでしょうから、開発計画を自分たちの都合の良いように持ってくることは容易でしょう。

それでいつまでたっても何も出来上がらない。

核融合技術開発も同じような経過をたどっているのですが、それに対する反省というものはないのでしょうか。