ジャーナリストの江川紹子さんが、熊本日日新聞に月一回「視界良好」と題したエッセイを書かれています。
どうやら他の新聞には転載されることもなく、またどうも熊日のネットサイトにはアップされる様子もないので、もったいないので内容を紹介しておきます。
7月31日付の記事の表題は「東京五輪 来夏開催できるか 議論のためのデータ示せ」というものです。
コピーしてここに転載することもできないことはないでしょうが、まあ止めておきましょう。
内容を要約して載せるだけにしておきます。
世論調査によれば来夏オリンピックが開催できると思っている人はわずか2割、7割は中止すべきか延期すべきと考えているそうです。
それでもメディアなどは一所懸命「あと1年」と言い続けています。
ワクチンの開発もかなり進んでいるとはいえ、来年までに途上国まで含めて世界中に供給できるという確実な見通しはありません。
日本国内でも来夏までに全国民に供給できるはずもありません。
もしも供給量が限られていた場合、医療関係者や高齢者を差し置いてオリパラ関係者に接種などと言うことが許されるかどうか。
各国でも選手選考が間に合うとも思えません。
多くの国では選手たちが練習すらできない状況です。
それでも日本政府は「安倍首相の花道」と位置付けられる五輪開催に固執しているようです。
入国制限が解除されない状況でもアスリートや大会関係者は特例入国を許す措置の検討を始めたとか。
さらに大会組織委員会会長の森喜朗は、「五輪をやめたら今の倍金がかかる」とか、「開会式を簡素化するのは放映権が売却済みだからIOCが応じない」とか、誰の意見か分からないようなことを言っています。
IOCの商業主義のツケをなぜ日本が背負わなければいけないのか。
そもそも、中止になったらどれだけの費用がかかるのか、決行するには追加費用がどれだけかかるのか。
そういった数字がまったく明らかにされていません。
加えて、人々のアスリートたちへの同情の想いが雰囲気づくりに利用されています。
開催1年前イベントで、池江璃花子選手を起用したのも開催に否定的懐疑的な声を抑える効果を狙ってのことでしょう。
多くの人が病苦と闘う彼女を応援していますが、その心情を利用するような組織委のやり方にはあざとさを感じると江川さんは言っています。
最後に、「自分が納める税金はこれ以上オリパラにつぎ込むのではなく、コロナ対策や熊本をはじめとする被災地支援に使ってもらいたい」と結んでいます。
あといくら金がかかるのか。
「IOCが」と言えば黙らなければならないのか。
当然のことが語られていると感じます。
池江さんの映像にも同様の感想を持ちました。
とにかく必要なデータをすべて出して議論すべきでしょう。