プラスチックのゴミが環境を汚染しているということが明白となり(今までもなかったはずはないのですが)、プラスチック製品の使用をやめ(といっても包装資材やストローといった小物ばかり)紙素材に替えようという話があちこちで持ち上がっています。
しかし、これが本当に環境に良いことになるのかどうか。
「紙の大量使用により、森林が消えていく」ということが問題視されていたのはそう遠い昔ではありません。
そのころから現在までに、植林事業が盛んとなって森林面積が拡大しているのでしょうか。
そんなことはないでしょう。
アマゾンの森林が大量に伐採されているという話は聞きますが。
上記の記事にもあるように、マレーシアでの製紙産業が増加しているということは明らかにあの地方の森林が伐採されていることを示しています。
たしかにプラスチックごみの環境への拡散は放っておける問題ではなく緊急の対応が必要でしょう。
しかし、それは単に別の素材(それも貴重な植物素材)に切り替えれば済むというものではありません。
基本的にはそれらの資材の大量消費自体を考えなければならないことです。
どうも何か一つの問題点が持ち上がるとそこだけに集中してやっていけば良いといった行動に走ることが多いようです。
「レジ袋」問題でも、それをマイバッグとやらに替えれば良いかのような、皮相的な見方だけが横行します。
プラスチックの使用量のごくごく微量なものでしかないレジ袋の使用を止めたところで大勢に影響はないというのが事実でしょう。
(それにしても、それすら簡単には変えられないのが実情ですが)
レジ袋廃止の店の報道映像とかが流れていても、マイバッグに詰めている商品はプラスチック包材だらけであるのに誰も疑問は持たないのでしょうか。
大量に消費され、ごみとなっているのは繊維でも同様です。
合成繊維は、ポリエステルやアクリル等々、立派なプラスチックばかりです。
しかし、これを天然繊維に替えれば良いのか。
木綿や絹、羊毛など、現在の膨大な衣類需要を満たすことはできません。
広大な耕地を綿花栽培、桑栽培、羊の牧場に切り替えても不可能でしょう。
とにかく、何でも需要が多すぎることが原因となっているようです。
もっと縮小しなければ何も問題解決には向かわないでしょう。