爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「間違いだらけの山登り」岩崎元郎著

岩崎さんは著名な登山家で「無名山塾」主宰でもありますが、本も書きテレビ出演も多いということで、批判も相当あるようです。
中高年の登山者が非常に増えている中で、遭難や事故も増加しており、そういった登山者に対する注意喚起というものも必要なところですが、注意をするとそれを鵜呑みにしてかえって変なことをしてしまうという人もいるようで、そういった点も非難の対象になっているところでしょうか。
本書はごく初歩のことばかりを取り上げているようで、まあそれほど論議の的になるような内容ではないかと思います。

最近の登山者の多くは中高年であり、その中には若い頃に登っただけの人や、まったく経験のないまま登山を始めるという人もいるようです。一昔前ならば60歳をすぎて高山に登るという人はほとんど見られなかったものが大きく変わってきました。そのため、遭難や事故を起こすという人も多くは中高年と言うことになっています。
ごくごく初歩的な知識もないままに登ってしまう人もいるようで、最低限のことだけは知っておいてもらいたいということです。
例えば地図とコンパスも持たずに登ってしまう人もいるようですが、これは絶対に必要。最近はGPS利用する人も多くなっていますが、これだけでは危険もありやはり地図との併用が絶対と言うことです。
素人の登山者では「食べ物を多く持参する」人が多いようです。それを仲間と分け合ったりという無駄なことをしてしまうこともあるとか。非常食・予備食といったものは絶対に必要なのですが、それとは別問題になります。
また、最近では山の奥でも携帯電話がつながるようになり、安易に救助を求めるということも起きてきました。そういった使い方は迷惑なだけですが、一方、まだまだ電話がつながらないという場所も多く、そういったところでの事故の可能性も考えるべきです。また冬期などは電池の消耗も激しくなり、いざと言うときに電池切れという事態も多いようです。

計画は綿密にすべきですが、これも基本をわきまえていない人がおおくおかしなものが見られるようです。山での行動は朝早くから始めてせいぜい3時か4時には山小屋到着というのが当然なんですが、夕暮れ時までに着けばよいといった考え違いをする人も増えているようです。
また登山計画書の提出というものは必須なのですが、まだまだそれがルールとして徹底していないようです。

もし遭難の場合というときのために山岳保険というものがあるのですが、これもその条件をよく調べておかないといざとなって保険の対象外と言うことになることが多々あるそうです。

もうほとんど登山と言うことをする気もありませんが、覚えておいても良いことかもしれません。