爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

行ったことのある都道府県 群馬県

群馬は「住んだことのある」県です。
もう30年近く前になりますが、会社からの突然の命令で群馬にある提携先の財団法人の研究所に派遣されることになりました。会社の事業所もまったくないところなので、借り上げ社宅から自分で探さねばならず、派遣先の研究所の方に案内してもらい何とか探しました。
アパートは前橋市の北方の町外れで、赤城山の山麓に近いところでした。研究所はそこから山に少し登ったところで当時は勢多郡富士見村という住所でしたが、最近は合併して前橋市内になったようです。

研究所と言っても所長の先生が一人で、あとは自分と同じような企業からの派遣研究員ばかり、先生も週の半ばに来るだけと言うことで自由と言うか、勝手にやってました。ちょうど子供が小さかったので病院に行ったり、検診に行ったりという都合があると抜け出してきて車で送ったりしたものです。
子供を連れて遊びにも良く行きました。その前後に住んでいた神奈川県ではもうあまり子供も遊びには行こうとしなくなったせいか、家族で出かけたのは前橋が一番多かったように思います。

アパートのドアを出ると、すぐ前に赤城山、左に榛名山、ずっと左に妙義山上毛三山が一望でした。さらにその奥には浅間山荒船山の異形も懐かしい風景です。赤城と榛名の間には小野子山、子持山が結構大きな山容を見せます。少し角度を変えれば上越国境の谷川岳も見られると言う、山好きにとっては夢のような風景でした。

伊香保温泉にも何度も出かけましたが、そこからの山の風景と言うのは前橋からのものとまた異なり、奥日光の方まで見渡せる絶景でした。

研究所の所在地が「富士見村」ということなので、きっと富士山が見られるはずだと思い、どこから見えるかを(所長先生のいない時に)探しに行きました。その方向には妙義荒船から続いて奥秩父の山が並んでいるために、なかなか見通せなかったのですが、少し東側に行ったところから前景の山の頂の隙間に富士山の頂上の積雪で白いところが見えたのは嬉しい経験でした。
しかし、良く考えてみると赤城山の頂上も富士見村の村域であり、そこまで登れば富士山も一望なのは明らかなので、そこまでぎりぎりの低地を探さなくても良かったのでした。

群馬もそれほど雪が降るということはなかったのですが、冬の季節風の強さはすごいものでした。車のドアを開けるときは気をつけろとは研究所の先輩によく言われたものです。油断して開けると強風で手が離れ隣の車に叩きつけられるということが頻繁にあるそうです。
しかし、その風の強い時の上毛三山の眺めと言うものも澄み切っていて忘れられないものです。それが群馬の風景の一番でした。