爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「学校給食食べ歩記3”食べ残し”編」吉原ひろこ著

もと学校の先生で、その後料理研究家、食育研究家として活動されている吉原さんが朝日新聞連載の記事として学校給食を実際に見て食べて回ったものをまとめたもので、その第3編として食べ残しに関していろいろな事例を挙げたものです。
少し前にもおかしな給食献立を扱った本を読みましたが、ここでは少しでも食べ残しを減らそうとして献立ばかりでなく色々な対策を取っている現場の先生、栄養士、調理師等の人々が紹介されています。
ただし、そのようにがんばっている人達の周りに、それを台無しにしてしまっている状況もたしかに存在しているようで、その紹介も忘れずにされています。
たとえば、給食の時間というのが短すぎていて、その中で準備から後片付けまでしなければならず、実際に食べるための時間というのは非常に短いのですが、それを10分でも長くしようとされた校長先生もいたようで、その奮闘ぶりも紹介されていますが、そう簡単な話ではなくさまざまな困難にぶつかってしまいます。
それでも10分長くしたことにより落ち着いて食べることができ、食べ残しとして廃棄される量も減らせることができたとか。

しかし、そのような取り組みもある一方で、給食の衛生面での対応は難しいものがあるようで、味を犠牲にしても衛生向上という動きは止めようがないようで、イチゴを4回洗ってぐしゃぐしゃなどというのは仕方ないのかもしれませんが、もったいないと感じます。
この著者の本は他にも読んでみたいと思います。