爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「フィンランドはもう”学力”の先を行っている」福田誠治著

フィンランドなど北欧は学力の国際比較でも上位を占めているということで注目されていますが、その実態はあまり紹介されていないようです。
教育学者で北欧の教育事情にも詳しい都留文科大学の福田先生が実情の詳細を紹介したものです。

フィンランドでは職業に就くのにさまざまな資格を必要とするようで、そのためにかなり早い段階で職業学校と普通科と分かれていくようです。職業学校では最終的に専門職大学まで用意されており、完全に即戦力として職に就けるような段階まで学校で教育するということが行われており、産業界もそれに協力した実地教育というものがなされているということです。

専門職教育というのは、いったん社会人となった人にも実施され、さらに別の職業に就くということも行われているようです。

ただし、普通科高校から総合大学へというルートを取るのは比率としては低いようですが、その程度は相当高いもののようで、大学入学資格を取るための資格試験というのは難しいようです。その試験に合格するための教育がどういうものかというのが、フィンランドの学力向上に関係あるものと思いますが、残念ながら本書ではその点についての詳細は不明でした。