爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

教育論「望ましい職業教育」

あまり幼い頃から将来の職業に対応した職業教育のコースを分けて実施していくと言うのは社会階層の固定化という面が強くなるので反発も大きいでしょう。しかし、現状の日本のような一部の資格教育以外はすべて一般教養だけの教育ともいえる状況はあまりにも非効率と言えるでしょう。
一般教養は現在のまま維持し、さらにそれに加えて職業教育をしていけば、すばらしい人材が育成されるかも知れません。しかし、そのためにはこれまでの倍もの勉強時間をかけなければならないでしょう。
現状からみて実施可能なレベルの変更、大体5割り増しまでの勉強時間延長程度までで実現可能な教育制度改革というのはありえるのでしょうか。

コース分けのスタートは何時が適当でしょうか。まさか、小学校からというわけにはいかないでしょうが、中学はちょっと微妙な年代かもしれません。
現在の高校において始めると言うのが、現状の工業・商業・農業等の仕組みから言ってもスムーズでしょうが、現代の工業など今の工業高校でフォローできているでしょうか。商業高校は存在理由が脅かされているのではないでしょうか。農業高校は農家の後継ぎ教育には意味があるといってもそれは農家経営が時代遅れになってしまっていることの裏返しかも知れません。
ともあれ、このような技術教育専門の高校を強化することで第1段階の職業訓練コースの始まりとなります。その他のより高度な職業訓練を必要とする生徒には、これまでの普通高校と同様の課程が必要であり、そこまでは現状と大きな変化はないでしょう。

大きく変える必要があるのは、現在の大学です。独自の課程で今でも存在している専門学校群はこれまで同様で構わないかも知れません。
大学ではこれまでのような一般教養や、専門科目と言いながらその分野の一般教養と言うしかないものなどに偏重した体制を変える必要がありそうです。
しかし、産業界が求める人材の能力と言ってもその分野は多岐に亘ります。以前に例としてあげた英語でコミュニケーションを取ると言うことに偏重した教育を行った場合、その卒業生の能力ですべての職業分野がこなせると言うわけではありません。そのような人材が活躍できる分野は確かに存在しますが、それ以外の能力も必要となります。つまり、そのような方法を取る学科・学部以外に別の教育方法が必要となる場所も無ければならないと言うことになります。

そうなると、どのような人材が必要か、それを養成するコースが設定できるかどうか、それにふさわしい教育内容が保てるか、(講師はいるのか?)などなど、大変な問題が山積みになります。
しかし、特に地方の小規模大学などはこの辺でよく考えて独自のコースを設定することで差別化できて学生増ということも考えられるのではないでしょうか。例えば、政府官僚養成コース、大企業企画調整室勤務者要請コース、大企業人事総務部員養成コース、海外駐在員養成コース、海外駐在員妻養成コースなどなど。
もちろん確固たる理論的基礎がなければ、怪しげな専門学校の見た目だけ似たような養成講座と同様ですので、少なくとも認可された大学ならばきちんとした根拠を持ってやっていく必要があり、私的なものでも卒業者に認定資格を出すなりの方策が必要でしょうが。