爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「外国人力士はなぜ日本語がうまいのか」宮崎里司著


10年ほど前の本なので、出てくる力士は旭天鵬や曙、朝青龍はまだ入幕前という状況ですが、朝青龍は日本語も上手いので偉くなるよという予測が当たっているという内容です。

著者は早稲田大学日本語教育の教授で、語学教育の観点からなぜ外国人力士は短期間で非常に日本語が上手くなるのかということを解析し、外国語教育に生かそうという視点があったようですが、相撲界では完全に一番下っ端から入門し、さらに日本語に精通していることが必要となる上位力士になることを目標に相撲もがんばるということに、日本語力アップも絶対に必要であることが本人たちにも理解されているためだそうです。

その意味で、野球の外人助っ人というのは全く日本語を覚える環境ではないことが明らかで、この違いも歴然ということです。

また、部屋の女将さん、兄弟子なども言葉を覚える上で非常に強力な指導者となり、丁寧な言葉、使ってはいけない言葉なども適切に指導しているために三役力士などになって各種会合などでの挨拶もきちんとこなせるだけの言語力を身につけられるということです。

まあ、聞いてみれば当然という感もありますが。