爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

台風14号は熊本にとって最悪のコースを来るそうで。

台風14号は猛烈な勢力にまで成長し、九州の南からまっすぐ北上してくるようです。

これは熊本にとっては非常に怖いコースで、被害の恐れも強くなっています。

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17日午前ではまだほとんど風もなく、わずかに雨が降っているだけですが、徐々に接近し明日の朝以降はかなり近づくでしょう。

 

私の住んでいる八代市西部は山からは遠く離れて崖崩れ等の危険はありませんし、球磨川の堤防を越えるほどの大雨でなければ水害の被害もありませんが、怖いのは暴風のみです。

これは以前にも強烈なものがあり、1999年9月に襲来した台風18号では市内でも多くの電柱が倒れて停電が続きました。

当時は社宅のアパートの4階に住んでいたのですが、うちは大丈夫だったものの2軒隣の部屋では強風で窓が割れるという被害がありました。

 

どの程度の強風が吹くか、まだ予測はできませんが、対策だけはしておきたいと思います。

なお、停電が長引くとこのブログの更新も途絶えるかもしれません。

一応数日分は予約投稿してありますが、もしもコメントの返事が無いと言った場合には停電しているかもしれません。

大した事がないことを祈るばかりです。

 

投資投資と言うけれど。

いつも多くの話題提供をしてくれるNHK朝の番組ですが、今回はあのアメリカから流れてきて芸人として顔を売りその後は会社経営などに乗り出している人が投資について解説(というか投資への誘い込み)をしていました。

 

日本はまだまだ株式などへの投資比率が低く、貯蓄の比率がかなり高い。

資金は運用して儲けなければという話をしていました。

日本ではこれまでの証券会社の悪いイメージから抜け切れず、株の売り買いの手数料ばかりが取られるという一面も(真実ですが)

 

しかし貯蓄と投資、それほど簡単な話ではないでしょう。

 

貯蓄といってもタンス貯金以外は金融機関に預けているのが普通でしょう。

金融機関はその資金をどうしているのでしょうか。

もちろん、企業などに融資しその金利で稼いでいたのがこれまでの銀行などでした。

それが長年続くゼロ金利マイナス金利政策ですっかり銀行の経営戦略を狂わせてしまいました。

それはともかく、国民が貯蓄した資金は決して銀行に眠っているわけではなく、本来ならばちゃんと企業に融資(投資)されていたはずです。

それをなぜ庶民が直接株式に投資しなければいけないのか。

 

これは資本主義の形というものが大きく変化してしまったからでしょう。

 

物を作って売る、それを流通させる等々の実体経済を担う企業に運営資金を投資し儲かったらそれを分配してもらう。

これが元来の資本主義経済のはずですが、それを置いてきぼりにして儲けを出そうということになった。

株式などの売り買いで儲けようという、実体のないバブル資本主義です。

上述のテレビ番組でもアメリカの株式はリーマンショックで打撃を受けたけれどそこからどんどんと回復したと紹介していました。

これで株式はいったん下がってもいつかは回復すると言いたかったのでしょうが、実際にはアメリカの株式市場が実体経済から遊離し、まるでカジノのようなものになったことを示しているだけです。

 

そこには多くの資金が流入し(その原資は日本の低金利で貸し出されたものも相当入っていたでしょう)賭博場のような株式市場で売り買いの技術だけで儲けを出すということになってしまいました。

 

アベノミクスというのも、この株価つり上げということだけがその主要なものでした。

これが国葬に値する彼の功績だということを国民はどれだけ理解できているのでしょうか。

そのために国民の財産である年金の資金などを大量に株式市場に投入し、株価つり上げを成し遂げ、一見して経済が回復したかのように思わせただけです。

 

今ここで投資投資という声を掛けているのはなぜか。

おそらく株式市場の幻が消え、どんどんと下がり続けているためでしょう。

これでは年金資金すら消えかねない。

そのために貯蓄されている国民の財産を株式投資に回させ、またも株価つり上げを成功させようとしているのではないか。

 

このような実体のない株式市場だけの資本主義経済は今後も何かあれば大打撃を受け大暴落にも至りかねず、その時の国民の被害も大きなものになるでしょう。

危ないものとしては、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山噴火、中国の台湾進攻、等々いくらでも目白押しです。

その時に復興に充てるべき国の財政資金が不足するだけでなく、国民の資金すらなくなっていたらどうするつもりなのでしょうか。

 

ちょっと心に残る話「嬬恋村の恩返し」

熊本日日新聞のコラム欄に掲載された話です。

(有料会員のみの記事ですので、コピーを載せます、悪しからず)

 


江戸時代の天明浅間山大噴火では多量の溶岩が流れ大きな被害が出ました。

特に鎌原村(現嬬恋村)では溶岩に埋まり壊滅的な被害を出しました。

 

それに対し幕府は各藩に復興のための資金を出すようにさせ、熊本藩には10万両もの拠出を命じたとのことです。

これは現在の100億円にも相当する額ということで、藩の財政が窮乏していたために藩のみから出すことは不可能、そこで領民に広く献金を募りようやく集めて送ったということです。

 

それは先方にも知られていたことで、この前の熊本地震の際には恩返しということで多くの義援金が集められたそうです。

 

熊本地震の復興も徐々に進み仮設住宅もようやく解消されるそうです。

 

それにしても、昔のことを覚えていなければこういうことはできません。

しっかりと学び、子どもたちに伝えていくことが必要だということでしょう。

 

 

 

「さすらいの仏教語」玄侑宗久著

仏教から出た言葉は今もかなり多く使われています。

しかし中には元の意味から遠く離れている言葉も多いようです。

そういった、原義とは大きく変わってしまった言葉を「さすらい」と表現し、解説しています。

 

退屈という言葉ももとは仏教からというのは知られていないことでしょう。

仏道の求道者の「志が退いて屈すること」を意味しました。

あまりの修行の厳しさに逃げ出すといった状況でしょうか。

したがって現代の何もやることもなくボーッとしているという意味とは相当違っていたようです。

 

利益は経済で使う場合は「りえき」と読みますが、仏教では「りやく」と読むということは知られているでしょう。

ふつうは「ごりやく」と使います。

しかし「りえき」の場合は商行為で得られ誰かの財布から入ってきますが、「りやく」は神仏から頂くものです。

ただし、「ごりやく」ばかりを求める宗教も多く、これでは経済的な「りえき」のように見えます。

 

金輪際と有頂天

金輪際の金輪とは大地の下にあるもので、地獄と同様に考えられます。

金輪際とは金輪の縁ですが、それに接する大地の一番下ということです。

金輪際ということばはたいてい否定形で使われますが、「金輪際しない」は「たとえ地獄に落とされようともしない」という意味です。

上の方は存在の絶頂を意味する有頂天。

無色界を四つに分けたなかの最高処、非想非非想処天のことを有頂天と言うそうです。

しかし凡夫の場合はちょっと良いことがあって思わず我を忘れるのが有頂天のようです。

 

普通に使われているいろいろな言葉に仏教の伝統があることを見るとその影響力の大きさに驚きます。

 

 

自衛隊は「イージスシステム搭載艦」の予算要求、これはとんでもないものだった。

自衛隊は「イージスシステム搭載艦」というものの予算要求を出しました。

これは従来の「イージス艦」というものとは異なるとんでもないものだという、軍事ジャーナリスト清谷信一さんと言う方の指摘です。

news.yahoo.co.jp

このイージスシステム搭載艦とは総排水量全長210mという、自衛隊の艦船では最大級のもので乗員110名を乗せて長期運行するというものです。

従来のシステムでは迎撃が難しいと言われる極超音速滑空兵器の迎撃も可能と言われているそうです。

 

しかし、このイージスシステム搭載艦というのは、あの秋田に作ると言ってぞの杜撰な計画で潰れたイージスアショアの尻ぬぐいのためのもののようです。

 

イージスアショアに必要とされたレーダーシステム「SPY-7」というものを、計画中止の前に発注してしまっていました。

そのSPY-7を無理やり使うためにこのイージスシステム搭載艦というものを作り上げたということのようです。

 

実はSPY-7が艦船搭載で使えるかどうかもまだ未確認のものだということです。

またこれを中心としたシステムを作るということで、この艦船にはミサイル発射装置も付けられるでしょうが、その規模は中途半端なものにしかならない。

結局は政府の失策の尻ぬぐいを自衛隊が相当苦労して行わなければならなくなるのが目に見えているとか。

 

このような「失敗の尻ぬぐい」でさらに大きな失敗を引き起こすというのは、悪い例が頻繁にみられるものです。

しかしそれを教訓とすることもできず、さらに悪例を積み重ねる。

またも膨大なカネの無駄遣いになりそうです。

 

肥料についてあれこれ。

ロシアのウクライナ侵攻に対する欧米各国の経済制裁により、肥料価格が高騰しているということです。

ロシアは肥料の輸出国であり、また各国の肥料製造に必要な石油や天然ガスもロシアからの輸出が多いということで、それが止まれば肥料の必要量が満たせないということでしょう。

 

www.nikkei.com

 

こういうことでもなければ肥料の有難味などなかなか実感できることがないのでしょうが、それが食料生産というものの大きな基盤であるということがあらためて分かったことになります。

何とか事態が無事に収まれば「良い教訓となった」となりますが、まだ予断を許さない情勢のようです。

 

肥料の三大成分といえば、窒素・リン酸・カリだということは誰でもおぼろげながらも知っていることだと思います。

窒素は植物の生育に、リン酸は開花結実を促し、カリは根の生育を促すということです。

他にも2次成分としてカルシウム・マグネシウム・イオウ、微量成分としてホウ素・マンガン等の元素が必要です。

 

しかしやはり大量に必要なのは三大成分ということになります。

リン酸とカリは鉱石として鉱山で採掘されています。

ただしこの埋蔵地は偏在しており、リン酸は中国・モロッコ・エジプトに集中しています。

またカリはカナダとベラルーシに多いようです。

いずれも埋蔵量を使用量で割った可採年数は約240年ということです。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_hiryo/attach/pdf/index-7.pdf

 

問題は窒素で、これは現在は石油を原料としたり、ハーバーボッシュ法による合成法での製造が主体です。

このため原油生産の多いロシアは窒素肥料製造にも有利ということなのでしょう。

 

この肥料値上がりが起こるまでは、化学肥料というのは非常に安価というイメージでした。

しかも品切れの恐れも無くいくらでも買えるかのように感じられるものでした。

しかし肥料というものはいつもふんだんに供給されるというのは近代に入ってからのことです。

化学肥料の生産が大工場で行われるようになって初めて獲得された状況でした。

 

明治までの日本では肥料不足による農作物の生育不良が常に起きていました。

江戸時代の江戸の町では民家の排泄物を農家が買いに来るということが行われていたそうです。

地方の生産地でも下肥の利用は常に行われていたのですが、量は圧倒的に不足していました。

それも当然で、ほとんどの生産物は年貢として奪取され江戸や大坂に運ばれていたのですから、肥料分の循環などできるはずもありません。

それを補うために里山の草葉を集めて堆肥化するということが行われたのですが、その場所もどんどんとなくなっていきました。

イワシやニシンなどの干鰯使用も進みましたがそれで解消できるはずもありませんでした。

これは海外でも同様の話だったようで、あまりの肥料不足のために墓地から人骨が盗まれて使われたという話もあります。

 

そのような常に肥料不足という状況が工業的に肥料を生産できるようになってようやく解消されたわけです。

それは多方面において石油を用いるということがあって可能となったものでした。

窒素肥料の直接の原料として、またリン・カリの鉱山からの採掘の燃料として、肥料の確保のためには石油の重要性は極めて高いものです。

 

それがロシアのウクライナ侵攻と言う事件で露呈してしまいました。

実は今回の事態が起きる前から、私は「オイルピーク後の石油供給不足」で肥料供給が難しくなり農業生産に影響するのではないかと考えていました。

まだ本格的な石油供給不足は先の話ですが、それの予行演習のような事態が起きたわけです。

 

食糧確保のための農業生産には他にも多くの不安要素があります。

まず耕地の確保。安全という意味では戦乱による耕地荒廃も大きな不安点です。

そして緊急で最大の不安が水の確保。

北米でも地下水の枯渇が言われており世界でも有数の農業生産地が危機に瀕しているのかもしれません。

農薬の生産も減れば病虫害の蔓延による農産の影響も大きなものとなるでしょう。

それらの不安に勝るとも劣らないのが肥料不足です。

ウクライナ紛争では小麦の輸出の障害から世界的な穀物不足となっていますが、農業生産自体の不安も大きいものです。

今はまだ政治的にも不安の大きいアフリカなどの国での飢饉多発にとどまっていますが、これがより拡大していけば政情不安も拡大し内乱や戦争の危機も増えるでしょう。

金のための戦争ならまだ制御も可能ですが、食糧不足のための戦争では殺戮にブレーキがかからない恐れも大きいものとなります。

 

肥料の問題に関心が強いのは、もう40年以上も前になりますが大学での経験によります。

農学部農芸化学科というところの卒業なのですが、4年次の卒論研究は植物栄養研究室というところで行ないました。

卒業してからは会社で醗酵や微生物に関する仕事をしましたので、肥料に関係したのはその1年間だけなのですが、それでも大きな印象を持っています。

まあ原体験といったところでしょうか。

 

なお、化学肥料が不足するから有機肥料でと考える人もいるかもしれませんが、それでは肥料成分が圧倒的に不足します。

植物が生育しその可食部を人間や動物が食べたとしても、それがすべてその農地に返還されるなら循環農業として成立します。

したがって、農産物を食した人間・動物の排泄物はすべてその産地の土壌に戻さなければなりません。

しかし部分的に家畜の排泄物を堆肥化するということはあっても、人糞・尿はほぼすべてが下水処理されています。

これを過不足なく土壌に戻さない限りいずれは肥料不足となるのは当たり前の話です。

 

とりあえずは早くウクライナ紛争が終結し様々な流通が元通りに戻ることが肝要なのですが、それでもやはり構造的な問題は大きいものです。

今の世界は人口が過大です。

それを支えるための肥料供給は必要なのですが、やはりそれ以前の問題が大きすぎるということでしょう。

 

 

祝!プロ野球ヤクルトスワローズ村上宗隆選手55本ホームラン

プロ野球ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が昨晩の巨人戦で一試合2本のホームランを打ち、シーズン55本として王貞治さんの記録に並びました。

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村上選手は熊本市出身、九州学院高校卒ということで地元紙熊本日日新聞ではスポーツ面だけでなく1面や社会面にも関連記事という、大喜び状態です。

ちょうど開催中の大相撲では郷土出身力士(特に名は秘す)の成績がイマイチということで、その鬱憤を晴らすかのような有様です。

 

村上選手はまだ22歳、プロ入り5年目ですがぐんぐんと成績を上げ今年は「村神様」と言われるほどの大活躍です。

現在はホームランだけでなく打点・打率もリーグトップで三冠王も夢ではないことになっています。

 

もう上にはバレンティンの60本しかなく、あと5本なのですがこうなってしまうと相手ピッチャーがまともに勝負をしてくれないという事態も予想されます。

特に優勝争いがヤクルト独走となってしまうと勝負よりも投手が自分は打たれたくないという思いに走るのではという可能性があります。

 

何とか、さらに打ってもらって大記録樹立を見たいものです。