著者の永田さんは「知的生産研究家」と記されていますが、ウェブサービスやマーケティング改良事業といった会社を経営されているそうです。
日本は沈みかけています。
1973年、著者が子供の頃に見た映画「日本沈没」は衝撃的だったのですが、現実の日本は今沈もうとしています。
しかし、国など無くなってもたくましく生きている人たちは数多く居ます。
ユダヤ人など昔から国というものが無くても世界各地で活躍しています。
日本という国がだめになっても、自立した自分があれば生き残って活躍できるはずです。
この本ではそれを考えてもらおうということです。
そこで、これからの人生に重要な5つのテーマ、「お金」「英語」「仕事」「家族」「思考力」のそれぞれについて、現状はどうなのか、その実態は、そしてどうすればよいのかということをわかりやすい図解とともに解説しています。
英語については、これまでのようなネイティブアメリカン重視はいくらやっていっても効果が上がらないので、「グロービッシュ」(非ネイティブの英語)で行くということを進め、自分自身が言いたいことをそれで語るという訓練(アウトプットの練習)を行うこととしています。
「仕事」では、現在の技術の進歩があまりにも速すぎて様々な職業がまたたくまに陳腐化してしまう危険性を考えるべきだとしています。
特に、これまではある程度の専門性が必要であるために少々高い値段をつけても顧客がついてきたような仕事、たとえばコマーシャル用のビデオ作成のようなものが、機材の値下げが止まらず、それを使うためのアプリも溢れてくると、素人でも簡単に作れるようになり、かえってそっちの方が新鮮で良いとなり、これまでのような価格で頼んでくる顧客は無くなりました。
もうそのような「ビデオ作成会社」自体の存在が不要になってくるということです。
このような仕事は街中にいくらでもありそうです。
他にもいろいろな方向から現状と近未来の社会の在り方、それに対しての人々の対処を説明されています。
まあ、それで間違いはないのかもしれませんが、誰もがその方向に進めるはずはないだろうとも感じてしまいます。