今年7月の参議院議員選挙の「1票の格差」が最大3.00倍であったのは、「違憲状態」だという判決が高松高裁で言い渡されました。
www.yomiuri.co.jp判決理由の中で、裁判長はかなり厳しい言葉を使っています。
神山裁判長は、17年の最高裁判決は19年参院選までに抜本的な格差是正がなされることを前提に合憲と判断したと指摘。3・00倍の最大格差は17年衆院選の1・98倍と比べて「大きく劣る」とし、埼玉選挙区の1増も「
弥縫 策にすぎない」と批判した。その上で「違憲の問題が生じる程度の投票価値の著しい不平等状態にあった」とした。
しかし、あくまでも「違憲状態」という判決であり、「違憲」ではなく「選挙の無効」も認めなかったという、これまで何十回も繰り返されてきた猿芝居の再現でした。
埼玉選挙区の定数を1増やしただけという、「是正策」も「弥縫策にすぎない」と批判しながら、これだけ裁判所を軽視した政策を取っていても何もできないのが、現在の司法の立場なのでしょう。
国会議員の数は有権者の人口に応じて割り振るというのが基本ですので、これができていない状態は違憲であるのはもちろんです。
地方の発言権うんぬんという話も出ますが、それならば人口比で議員を出すという原則を変えて、アメリカの上院並に各県2人とかいった制度にするかどうかということも含めて議論すべき問題であり、現状で人口比にできない理由とはなりません。
しかし、そもそも参議院というものが衆議院と同様に人口比で議員を出すべきものかどうかも議論の余地があります。
また、ほとんど衆参両院の権限が変わらないということも、ねじれ国会という言葉が表すように大きな問題です。
自衛隊を憲法に明記するなどといった、どうでも良い?問題が憲法改正問題ではありません。
国を治める政府をどうやって決めるか、その基本である国会というものを、もう少しきちんと決めておくことが憲法の役割ではないですか。