この前読んだSF作品の「読書会」の著者の恩田陸さんともう一人の山田正紀さん。今度は山田さんの本も読んでみました。
山田さんはデビュー作の「神狩り」をSFマガジン誌に発表時に読んでいましたが、他の作品はまったく読んだことがありませんでした。本作は2005年から月刊誌の毎月の連載で、各月読みきりの短編を続けて書いたものだそうです。
恩田さんはもともとSF作家というよりはファンタジーやホラーの方なのですが、山田さんはかなり本格派SFだったと思います。そんな山田さんですが、かなり普通の社会生活というものを意識して普通に書いたようにも見えます。それでもちょっと思いもかけない世界に入り込みかけます。
「女はハードボイルド」という作品では、農協の経理の普通の女性がたまたま出勤前にATMに寄ったところ、ちょうどATMを破壊して現金強奪をしようという強盗に出くわして、それと戦う羽目に陥るというすごいものでした。
「カゴを抜ける女」というのも、詳しくは書きませんが、とても普通に見せながら実はまったく普通ではない展開で最後は唖然とするようなものでした。
まあ結構気楽に読めたようです。