ハンセン病の元患者の団体が温泉に宿泊しようとしたところホテル側が拒否をしたという事件が発生してから20年となりました。
それについてNHKの朝のニュースで少なからぬ時間を使って放送されていました。
いつもケチをつけてばかりのNHKの朝のニュースですが、こういったものも取り上げて放送しているところは見直します。
ja.wikipedia.org事件が起きたのは2003年11月、ハンセン病の元患者の団体が熊本県南小国町のホテルに宿泊を予約していたものの、事情を知ったホテル側が予約を取り消し。
その事業には熊本県も関わっていたため県側が宿泊させるよう申し入れたものの、ホテル側は他の客の迷惑を理由に拒否し続けました。
それに対し熊本県は法的手続きを取るとともにこの件について公表しましたが、それには当時の潮谷県知事の強い意志があったということです。
結局そのホテルは廃業ということになりました。
しかしそれに対しハンセン病患者療養施設の菊池恵楓園には多くの抗議の手紙などが寄せられ、その中にはハンセン病患者を露骨に批判する人権無視のものも多かったそうです。
ハンセン病は感染性も非常に弱く、患者に接触したとしても感染する危険性は少ないのですが、その症状が外見ではっきりと示されるためにひどい差別が横行しました。
それがこの時期になっても人々の意識の中には根強く残っていることがあらわにされました。
人権を守るということはたやすいことではないのでしょう。
特に大人の意識の中にある差別という感覚は問題です。
もはや「正す」ことは難しいのでしょうが、少なくとも「露骨に表明する」ことはできなくなるように導くということが求められるのでしょう。