爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

CCS(二酸化炭素地下貯留技術)は二酸化炭素濃度削減の切り札なのか。

CCS、すなわち二酸化炭素を地中に貯留することが大気中の二酸化炭素濃度を削減するための切り札であるかのような幻想を振りまく人がいます。

化石燃料の燃焼はやはり無くすことはできないため、必ず大気中の二酸化炭素濃度は上がり続けることになるため、なんとかそれを減らすためには二酸化炭素をそのまま地中に埋め込むことが必要になるということでしょう。

 

しかしそんなことがうまくいくのか。

NHKのニュース番組でもやっていましたが、やはり多くの難題があるようです。

まず高濃度の二酸化炭素でなければやる意味もありません。

それを地中に貯留するといっても単に地下に吹き込むだけでは漏れ出してしまいます。

石油の油田であればもともと天然ガスのような気体でも貯めこんでいた地層ですので、それができる可能性もあります。

しかしそれも絶対とは言えないようです。

貯めこむために吹き込んでもどんどんと漏れてくればなんの意味もないばかりか、それが海中であれば海水の酸性化につながりさらなる環境悪化にもつながります。

 

世界的にも一時はそれを目指す方向で調べられたようですが、現在ではほとんど無理と分かってきたようです。

自然エネルギー財団というところでも「無理」という発表をしていました。

www.renewable-ei.org

このようなおかしな方策が横行するのも、現在の気候問題の焦点が二酸化炭素濃度にあるという間違った観念が広がりすぎたからです。

 

化石燃料の過剰使用が問題というのは間違いないのですが、それの使用削減を目指すという全く当たり前の方策が困難であるからということで「二酸化炭素の濃度を下げればよい」という方向に向いてしまった。

それがCCSのような完全なエネルギーの無駄使い、資源と資本、労力の方向違いの浪費につながることを生き残らせています。

 

今すぐにでもやるべきことは「化石燃料エネルギーを使わない」ということです。

その勘違いがあらゆる無理と無駄を広めています。