爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

永井孝志さんのブログより「何者かにならなければならないというリスク」

リスク学者永井孝志さんのブログですが、今回は直接のリスク論ということではなく、社会一般の風潮について書かれていました。

nagaitakashi.net今年の東大入学式でのスピーチというものは全く知らなかったのですが、結構異色のものだったようです。

東大の卒業生ではあるようですが、グローバルに活躍されている馬淵俊介という人が話したということで、この方は永井さん曰く「マッチョな人物」でリスクを恐れずにガンガン進んで行けという内容だったようです。

 

しかし実際にはこういったイケイケのマッチョ成功体験よりは、「焦って何者かになろうとしなくてよい」というメッセージの方が若者のためになるのではないかということです。

 

今はSNS上でのインフルエンサーや、人気ユーチューバーといった人々が注目を集めていますが、それを目指してもほとんどの人は失敗します。

失敗例というのが列挙されていますが、よく目にするような人々なのでしょう。

SNSでの承認欲求こじらせ
・写真だけ撮って食べずに帰るなど映えばかりねらうインスタ蠅
・他人に迷惑をかけまくる炎上系YouTuber
マーケティング全振りの情報商材
・詐欺系オンラインサロンの運営
・色恋系コンカフェ・アイドル

 

リスクを恐れずに行動しようというメッセージもよく目にしますが、これもリスクをとって「たまたま」成功した人が言うだけのことであり、それ以上に多くの人が「リスクをかぶって失敗」して消えていっているのが実情であり、このようなものを「生存者バイアス」というそうです。

 

学生の時も、会社に入ってからも長いこと「何者でもなかった」という自覚のある私にとっては非常に共感できる内容でした。