永井孝志さんのブログから、国立科学博物館で開かれていた「毒展」についてです。
残念ながらすでに開催期間が終了しているようです。
最初の永井さんの感想が「”毒展”ではなく”毒を持つ生物展”だと思えば面白かった」ということで、これが内容をよく表わしているようです。
リスク学者永井さんから見れば、「有毒かそうでないか」を二分するだけの考え方しか見えず、バラケルススの有名な説「毒か薬かは量で変わる」ということも表示はされていたものの、それに基づいた展示は無く、リスク論的な考え方がほとんど見られなかったということです。
また、人工物の扱いもごく限られたもので、DDTとマイクロプラスチックの展示のみ、さらにそこにもリスク評価は見られずこれでは「人工化学物質は怖いね、使わない方が良いね」という感想しか持てないものでした。
現在の農薬について詳しく展示していればどうだったか。
DDT以来農薬研究者たちが多くの研究開発をどのように行なってきたのかを解説する必要があるのでしょう。
またマイクロプラスチックの解説でもなぜそれを使わなければならないかの説明はなく、ただただ添加剤が危険危険というばかりでは全体像がつかめないということでしょう。
まあおそらく主催者企画者が生物系の人だったということなんでしょうが、それならば最初から展覧会名称を「毒を持つ生物展」にするべきだったのではないでしょうか。