熊本県の南阿蘇鉄道が、熊本地震で大きな被害を受けて運休していた区間もようやく復旧工事が完成し、全線での運行が再開されました。
南阿蘇鉄道はJR豊肥線の立野駅から南阿蘇方面に向かい高森駅までを結ぶ第3セクター鉄道です。
かつては国鉄高森線だったのですが、早い時期に分離されました。
立野駅を出ると第一白川橋梁という谷にかかる橋を通り、その後は南阿蘇の谷を通るという路線です。
熊本地震では立野周辺は非常に被害が大きく、一時はJR豊肥線、道路も含めほとんどの交通手段が被害を受けました。
しかし阿蘇を通る交通は熊本と大分を結ぶ重要なルートでもあり、復旧が急がれて道路や豊肥線は工事が進められ早い時期に開通しました。
ところが南阿蘇鉄道は立野から高森までとさほど交通手段としての重要性が高くはないためか、復旧は遅れました。
それでもようやく7年3か月の時を経て、全線開通にこぎ着けました。
ここ数日は熊本ローカル放送や新聞では特集番組、記事が満載です。
やはり平日は通学の生徒が多いのでしょうが、休日には観光客の利用が見込まれます。
トロッコ列車もあり、夏場には楽しみでしょうが、それ以外の時期にも阿蘇山を南側から望む雄大な風景は楽しめることでしょう。
私もかつて一度だけ南阿蘇鉄道に乗車したことがありました。
もう20年以上前になりますが、会社の旅行で珍しく鉄道利用ということになり、熊本乗り換え、立野乗り換えでおそらく阿蘇下田城という駅まで乗って行ったように思います。
立野から発車するとほどなく例の白川橋梁へ、そこで少しスピードを落として景観を楽しませてくれたと思います。
その後は南阿蘇の阿蘇山と外輪山に挟まれた田園風景を進みました。
その夜は阿蘇山中腹の地獄温泉に泊まりましたが、ここも地震では大きな被害を受けたということです。
これで熊本地震による被害のうち大きなところは何とか復旧できたようです。
しかし、3年前の熊本水害の被害はさらに大きく、JR肥薩線は全く復旧の計画すら立たず川沿いの国道も不通のままです。
まだまだ先は長いようです。