巨大風力発電に期待が寄せられていますが、その実態は高い故障率と膨大な修理費用だという、またも当然すぎる話です。
著者の牧野さんは新聞記者や雑誌編集者を経てフリーのジャーナリストということです。
ヨーロッパで特に風力発電が普及しているという話は多いのですが、実際にはその稼働は厳しいものだということです。
ヨーロッパにおける詳細な運転データが紹介されています。
風力発電は設置には多額の費用がかかるものの、その後はタダで発電してくれるというイメージが普通でしょうが、そのデータによれば運転にかかる費用は古くなるほど高くなっていくようです。
そして、比較的小型の装置ではその傾向が低く、巨大風車になると非常に強くなるとか。
この理由は、故障の多発と修理代金の高額化によるということです。
故障の実情はこの記事の後編にあります。
故障個所のデータによれば最も多い部位は主軸とベアリング、そしてギアボックスといった回転部分です。
そしてそれが修理費用が高くなる要因となり、巨大風車の場合はベアリングだけ簡単に取り換えるというわけにもいかず、製造時と同様の足場を組み上げ巨大クレーンを使って行う必要があり、最悪の場合修理期間が2年間もかかることがあるとか。
日本でも風力発電への期待が高まり、特に洋上風力発電という大変なものが流行ろうとしています。
日本は気候の特性から風力発電も稼働率が低いうえに、台風や冬の寒波の嵐などで猛烈な強風に見舞われる機会も多く、回転部の破損も危険性がかなり強いのでは。
その修理費だけでもとんでもないものになりそうです。