爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ウクライナ東部諸州でロシア併合の住民投票か。

ウクライナ東部諸州ではウクライナ軍の反攻が激しさを増しロシアから奪還した地域もあるという報道がされています。

それに対し、ロシアは東部諸州でロシア併合を求めるという住民投票を実施すると報道され、日本メディアはロシアの批判を強めています。

www.nikkei.com

しかし住民投票を実施するということはそれだけロシア併合を(真意はともかく)支持する住民が多いからというのは間違いないところでしょう。

 

これについてはウクライナ情勢に詳しい方のルポを読みました。

sohujojo.hatenablog.com

それによれば、正確な数字かどうかは分かりませんが、すでにロシア編入住民投票で果たしたクリミアでロシア系住民の割合は6割、東部諸州はそこまでは多くないがウクライナ系住民と同数程度とありました。

 

東部諸州ではウクライナ系住民は殺害、強制移住等のうわさもありロシア系住民の比率はさらに上がっているのかもしれません。

そうなればもし住民投票実施となればロシア編入が認められる公算も大きいのでしょう。

 

しかしクリミアの編入時にもこれを住民投票で決定するということに対しては欧米からは批判が出ました。

今回もそうですが、どうも地域の独立やどの国へ帰属するかの決定を住民投票で行うということには抵抗感が強いようです。

民主主義的手続きをたどりながら実施してもやはりこれは「悪い民主制度」だということでしょうか。

6割の住民の賛成でどの国に属するかを決めるというのは、残りの4割の反対は無視するということであり、形だけは民主制であっても民主制の基本にはなじまないということでしょう。

 

今回のウクライナ東部諸州も、心の中では反対のウクライナ系住民もまだかなり残っているはずですが、その声は賛成多数の中で無視されるのでしょう。

 

それを覆すのはウクライナの軍事力だけということ。

どうやら民主主義の限界と軍事力の効果を見せられるだけの先行きになりそうです。

 

それにしても、ソ連当時の政策によりロシア周辺の各国にロシア人が多数移住したのでしょうが、それがこのような紛争の種になるとは。

他のロシア系住民の多い国も平穏ではないということでしょう。