経済学者野口悠紀雄さんは多くの記事を書いていますが、これはどうもと思わせるものもあるものの、さすがと感じさせるものが多いようです。
今回ダイアモンドオンラインに書かれていたのが、世界的なインフレはMMT理論の破綻だというものです。
MMT(現代貨幣理論)というものがあり、自国通貨で国債を発行できる国はいくらでも国債による財政支出ができるというトンデモ経済理論です。
それに対しての反論も数多く出されていますが、ちょうど世界的に発生したコロナ禍とそれによる経済危機に対して各国は事実上のMMT理論による国債発行を大量に実施したことになります。
そして、現在の世界的インフレはその反作用だということです。
そもそもMMT理論においても「インフレが起きない限り続けられる」とされていたようです。
しかしアメリカをはじめヨーロッパ各国でも激しいインフレが起きてしまった。
ちょうど勃発したウクライナ侵攻による原油や穀物の高騰もありますが、主因はやはり各国の国債増発だということです。
これはまさに経済学の初歩教科書にも載っているようなものです。
日本でもインフレが起き始めていますが、これは海外からの輸入品の高騰によるものだという説明もされています。
しかしそれ以上に大きいのが円安であり、それが日本の低金利によるアメリカなどとに金利差拡大にあるとすれば、やはり国債多量発行のツケだということです。
日本が金利を上げられないのは日銀が大量の国債を引き受けた結果当座預金が増加したため、もしも金利を上げれば日銀の利子支払いが増加し日銀の収支が悪化するからだそうです。
あの総裁の頑ななまでの金利上げに対する否定はそのためだったということでしょう。
このような証拠が出されてもまだ国債頼みの財政運営は止まりそうもありません。
もはや抜け出すことができない破滅への道をたどっているのでしょう。