NHKを朝から見ていると時々面白い話を見聞きできます。
まあ高い受信料を払っているのだから少しくらいは楽しませてもらってもいいのでしょう。
今回は「日本は水素でも後れを取るのか」と、欧米や中国に比べて進行が遅い日本の水素エネルギー政策についてというものでした。
「次世代エネルギーの本命とも言われる水素は脱炭素社会への切り札」だと、NHKの経済部記者の佐々木さんが書いています。
テレビで放映していたのもこの記事そのままの内容でした。
これまでは水素利用技術では日本は他国に先行していたのだそうです。
水素利用の燃料電池車の開発などは多くの特許も取得しています。
さらに2017年には世界に先駆けて水素利用の国家戦略を定めました。
しかし、ドイツ、オランダ、アメリカなどが猛追してきています。
ドイツは再生エネルギーから水素を作り出す装置の開発に巨額の投資を行い、その装置を中東やアフリカに輸出して水素を製造させそれをドイツに搬入するシステムを作ろうとしているとか。
こういった「グリーン水素」の製造と利用のシステムを作り出し世界をリードしようとしているということです。
これまでにも、半導体や太陽光発電パネルなどの開発で日本は先行しながらもその後は他国に主導権を奪われるということになってきました。
水素ではそのような轍を踏むことなく、巨額の投資を呼び込む仕組みを作り上げるべきだということです。
いやはや、まったく「経済部記者」の書きそうな内容です。
記事内にもあるように、現状ではグリーン水素どころかブルー水素もほとんど無く、99%以上が「グレー水素」すなわち化石燃料から作り出したものばかりです。
そもそも「再生エネルギーから作り出した電力で電気分解した水素」などと言うものが経済的コストすら十分に満たすことが可能なのかどうか。
もちろん「エネルギーコスト」的にはシステム全体に多大なロスがあり投入エネルギーのほんのわずかな量しか回収できないのは明らかであり、これはいくら技術を向上させたところで少々アップするかどうかという程度でしょう。
唯一存在の可能性があるのは、「電力ではどうしようもないもの」を石油の代わりに担えるかどうか。
すなわち軍用の航空機、ミサイル、大型トラックなどの輸送車両でしょうか。
つまり相当「きな臭い」用途だということです。
水素利用を進めようとしているのは、そういった勢力かもしれません。
このような「水素利用技術の推進」のために貴重な国費を浪費することは止めてもらいたいものです。