いつも大変参考にさせていただいている、忽那賢志さんですが、「読んではいけない反ワクチン本」という文章を文春オンラインで全文公開ということです。
ワクチンについての疑問や批判は多数現れていますが、中にはまったくの偽情報というものもあるようです。
そういった点について詳しく書かれています。
ワクチンに対しての日本人の姿勢は決して好意的なものではありませんでした。
数々の事故があり、延々と訴訟が続いたということもありました。
1940年代の京都島根ジフテリア事件というものから始まり、最近では子宮頸がんワクチン問題も印象的でした。
そのような中ですので、反ワクチンの勢力もかなり強く、今回の新型コロナウイルスワクチンについても早くからネットでの偽情報氾濫が続いていたのですが、成書となっての販売も目立つようです。
この記事ではそういった「反ワクチン本」を具体的に取り上げその主張を検証していくのですが、その前に「mRNA ワクチン」という、ファイザーやモデルナのワクチンの特徴を説明しています。
これまでワクチンと言えば「生ワクチン」「不活化ワクチン」であったのですが、今回初めて実用化されたのがmRNAワクチン(メッセンジャーRNA)でした。
生ワクチンは、弱毒化したウイルスを使うもので麻疹や風疹に応用されています。
不活化ワクチンはウイルスそのものではなくウイルスの一部だけを使うものでインフルエンザや肺炎球菌ワクチンに使われています。
生ワクチンは弱毒化ウイルスを得るのに手間と時間がかかり、不活化ワクチンはウイルスの一部だけなので獲得される免疫が弱いという弱点があります。
今回の新型コロナウイルスのmRNAワクチンは、ウイルスのスパイク蛋白という部分の構造についての遺伝情報をのせたmRNAを使うというものです。
それでは反ワクチン本の紹介に移ります。
mRNAワクチンは遺伝子組み換え技術を使っているので、人間の遺伝子も変えられてしまうという話です。
〈遺伝子組み換えRNA/DNA技術は、人の身体に永続的な未知の遺伝子的変化を引き起こすだろう。あなたを「遺伝子組み換え生物」に変える設計がされている〉(高橋徳・中村篤史・船瀬俊介『コロナワクチンの恐ろしさ』成甲書房、p.51)