ドライブレコーダーやスマホカメラの普及で、とんでもない行為をするドライバーの画像が報道され、あおり運転という言葉が一気に広まり、それを阻止しようとして厳罰化の法律も制定されました。
しかし、報道のような極端な事例はそれほどはないでしょうが、すこしだけ「あおる」ような運転というのはあちこちで起きていて、しかも自分で気が付かずにそういった運転をしている場合もありそうです。
下手をすると全然自覚もないままにいきなり「妨害運転罪」で逮捕されるということもあり得るかもしれません。
こういった事情を長年交通関係のジャーナリストとして活動してきた菰田さんが解説していますが、「被害者」だけでなく「加害者」にもならないというところがポイントでしょう。
本当に、ちょっとした運転のクセであおり運転加害者に認定されかねないと感じます。
あおり運転として認定されるのは次のような行為です。
車間距離を極端に詰める(車間距離不保持)
幅寄せや蛇行運転(安全運転義務違反)
急ブレーキ(急ブレーキ禁止違反)
不必要なホーン(警音器使用制限違反)
執拗なパッシングやハイビーム(減光等義務違反)
高速道路での駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)
車間距離については煽るつもりは無くても運転のクセで詰めてしまうという場合もありそうです。
ホーンやパッシングなどは相手の車の危険な運転に対して行ったという場合もあるでしょうが、それも周囲の捉え方次第であおり運転と判断される危険性があります。
あおり運転をしてしまう心理というものがあり、あまりにも道路交通法や交通道徳に反するような運転を見ると何か注意をしなければという正義感が生じてしまう場合があります。
その「反する」という評価自体が独りよがりで偏っている場合が往々にしてあるのですが、自分ではそう信じ込んでいるために行動も過激になりがちです。
そして煽られた方も「あおり運転は悪」という正義感から対抗してしまい、トラブルに発展するということはよくありそうです。
「あおり運転をよくされる」という人は自分自身の運転に問題がある場合も多いようです。
法律には触れなくても「ずるい運転」「汚い運転」をする人がいます。
こういった運転を見ると「正義感」が湧いてきて対抗処置をしてしまうという人も居るわけで、それがトラブルの元になります。
あおられた時の対処法は、とにかく止められても絶対に外には出ない。
ドライブレコーダは必須、さらにスマホ等で撮影しておく。
運転中であっても110番に通報(運転中の通話もこういった緊急通報は可能)
もしも道路上で車を止められて相手が降りてきてもドアを開けずにロックして、相手の行動を撮影することだそうです。
法律で厳罰化が定められたため、もしも有罪となれば非常に厳しいこととなり、失職することもありそうです。
いかに他人が危険で汚い運転をしていても、それを注意することは一般人にはできません。
義憤を感じ何とか注意しようとしてそれがあおり運転とされると人生を大きく狂わせてしまうことにもなります。
なお、会社などで社用車を使う場合はそれであおり運転をされると会社のイメージがガタ落ちになります。
従業員の運転マナーまではなかなか管理が難しいでしょうが、事故を起こしやすい人と言うのは何らかの問題点がある場合もあり、注意すべきでしょう。
話には聞いていましたが、全国各地の「運転のローカルルール」というものが紹介されていました。
名古屋走り、播磨道交法、伊予の早曲がり、松本走り、だそうです。
どれも厳密にいえば道交法違反ですので、注意しなければなりません。
私もどうも車間距離を詰めがちなので、注意しなければ。
この本によれば、海外では速度にかかわらず、「2秒あける」ということになっているそうです。
日本の教習所で教えているのは「時速40㎞なら25m、60㎞なら45m」といったものですが、それよりは2秒ルールの方が分かりやすいようです。
どうも社会的な雰囲気で厳罰化が決まりましたが、誰でも起こす可能性があるように感じていました。
せめて自分は引っかからないように注意しなければ。
しかし私は特に「正義感」が強い人間なので、危ない危ない。