爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

未承認のヨウ素添加食塩を使った製品を自主回収、廃棄。法律違反なのは確かだがそれでも捨てて良いものか。

小島正美さんの「FOOD NEWS ONLINE」で、中国産の茎わかめに日本では未承認のヨウ素添加食塩が使われていたため、それを使用した食品が大量に自主回収、廃棄されていることが紹介されています。

foodnews.onlineこの内容は、記事中にも書かれているようにすでに食品ジャーナリストの井出留美さん、森田満樹さんも取り上げられ、私もそちらを見たことはありますが、今回の小島さんのものが一番「もったいない」という感想を強調していましたので、これを取り上げます。

 

中国から塩蔵茎わかめを輸入したのは東海澱粉株式会社で、そこから国内の多数の食品会社に納入され、ワサビ茶漬けやふりかけといった食品にされたのですが、今回の報告によりすべてを自主回収し廃棄するということになりました。

 

ヨウ素自体は必須栄養素であり、少量食べたからといって害はなく、また日本以外の多くの国ではヨウ素欠乏状態のところがあるため、摂取を勧められるところも多いのですが、日本は海藻などからのヨウ素摂取が多いため、ヨウ素添加の食塩も必要とされないためにどこからも食品添加物指定の要望が出ないためそのままになっていたというだけのものです。

 

しかし、実害はほぼ考えられないからと言って、法律違反であることが判った以上は何もしないわけにはいかないということです。

森田さんの記事にある理由が引用されていますが

「法律違反は明確です。自主回収をしなくてもよいという根拠はどこにもない」

「法律違反なのに自主回収不要だと言えば、厚労省は『危ない中国産品に甘い』と消費者団体から批判される。メディアからもたたかれる可能性が出てくる」

健康被害がないといっても、絶対に安全とは言いきれない」

「そもそも輸入会社の不注意で起きた自主回収なので、不注意を直せばよいだけのことだ。しっかりと管理している会社もある」

「一度、特例を認めると歯止めが利かなくなる」

と列挙されると、やはり仕方のないことかとも言えます。

 

ただし、国際的なバランスから考えるとやはり法の不備と言えるものでしょう。

過去には「国際汎用添加物」と指定して廃棄を防ぐということもあったようですが、そこまでの対応は必要ないと考えられたのでしょうか。

 

農薬の残留基準などでも日本と他国の違いというものは数多くありますが、各国の事情はあるのでしょうが、なるべく共通化することが必要なのでしょう。