昨年8月に大阪発のニュースで「イソジンなどでのうがいをすることで、コロナウイルスの感染と重症化を防げる」というものがあり、一時それらのうがい薬が売り切れるという騒ぎになりました。
この件のその後について、「NATROMのブログ」で内科医NATROMさんが検証しています。
騒ぎの発端は、大阪府の吉村知事の会見で、「ポピドンヨードうがい薬(イソジンなど)でコロナウイルスの感染が減らせる」と言ったことです。
細かな内容はちょっと見つかりませんが、その直後にブログに書かれていたものがありました。
イソジンガーグル(ポピドンヨード)と新型コロナウイルス | 石橋医院
お医者さんのブログで、中には確かに「軽症の患者がうがいをすることで重症化を防ぐという意味だ」とあります。
吉村知事はこの発言のあと、検証を続けると言明し、実際に大阪府立の施設で実施されているようです。
この発言の内容には2つの部分があり、「感染者がうがいをすることで他人への感染を減らせる」ということと「感染した者がうがいをすることで重症化が防げる」というものが含まれていたということです。
NATROMさんも、前者の「感染者からの他への感染を減らせる」効果はあると考えています。
ただし、飲食店従業員などであまりにも頻繁にイソジンうがいを繰り返すとそれによる害も出る危険性があるようです。
そして、「本命は重症化の阻止」だということですが。
2020年11月の段階で、吉村知事は「第二次研究を実施している」と言明しています。
確かに、大阪府立病院において臨床研究を実施するということが、「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」というところで公開されていました。
このシステムは様々な臨床研究を実施する際にその計画を公表するというもので、これにより公正な臨床研究を行えるようにするという公的なものです。
そこで、NATROMさんはこの実施計画の内容を調べてみました。
すると、この実験の目的が「宿泊療養者のうがい6日目の唾液中のウイルス陰性化率」になっちゃっていたということです。
「なんでだよぉ! 重症化率も入れるべきだろ」というのがNATROMさんの感想でした。
結局は、「重症化の阻止」なる効果は実験計画立案の時点で無理と分かったということでしょうか。
なお、付け加えておきますが「ポピドンヨードうがいは、うがいした本人が他人から感染させられることを予防はできない」ということで、これについては吉村知事も初めから言っていません。
これは他のインフルエンザなどでも確かめられており、その効果は期待できないということです。
あくまでも「感染者がうがいをすれば、他人へ感染させることを減らすことが期待できる」ということです。