森林ジャーナリスト田中淳夫さんが報告した事例です。
奈良県平群町に建設が始まっていたメガソーラープラントの工事に重大な疑問が発覚したというもので、奈良県知事は工事の停止を命令しました。
地元の人々を中心に1000人の人が連名で工事中止の訴訟を起こしたのですが、法令を明確に違反しているという事実は乏しかったため見通しは暗かったそうです。
田中さんは近くに住んでいるために初期からこの進行を注視してきたのですが、希望は少なかったそうです。
その時の状況は、まったく八方ふさがりだった。土地は事業主がすべて買い占めているし、道路とも接しているから重機搬入なども手間はかからない。地元自治会の同意も取り付け、林地開発許可など必要な町や県、国からの認可も受けていた。行政的な手続きはすべて終えていたのだ。
「考える会」は弁護士などにも相談していたが、訴訟を起こしても勝てる見込みが薄く、なかなか賛同を得られなかったという。
穴だらけの法律はすでにほぼ完全にクリアーし、法的には問題はなく訴訟も勝ち目はないということでした。
この開発の事業主体はいちおう国内の会社ということになっていますが、実態はないペーパーカンパニーで、実際はアメリカの投資会社だということです。
それが奈良県山間部の山林を大規模に伐採し、そこにさらに盛り土(熱海で有名な状況です)をして平坦にしようという暴挙です。
しかし一見すべて揃っていたような書類の中にでっち上げのデータがあることに気づきました。
放水路の計画が実際のデータではなく虚偽のものを含んでいた疑いが明らかになりました。
他にも同様のところが見られたため、それを指摘したところ奈良県知事も工事中止を命令ということになったようです。
しかしすでに森林を伐採したところの写真も掲載されていますが、痛々しい風景になっています。
ここまで自然を傷つけて何をやろうとしているのか。
もしも書類上の疑問がなければそのまま続けさせるしかなかったのか。
メガソーラーなどと言うものの意味をもう一度よく考え、日本だけでなく海外の悪徳業者などをぼろ儲けさせるだけだという実態を知ってもらいたいものです。