オリンピックはどうやら無理やり開催されるようですが、「中止すべし」「開催すべし」という意見はメディアでの取り上げ方次第で実際の国民の感覚とずれているかもしれないとは思います。
そこで、リスク学者の永井孝志さんのブログでは、これまでも「リスク」についての世論の動向を調査するために使っていた手法で、中止・開催の世論の傾向を探ってみました。
nagaitakashi.net世論調査というものもありますが、これも方法次第でかなりの変動があります。
そこで、永井さんは正確な数字を出すとは言えないものの大まかな傾向を見る目的で次の手法を取っています。
それは、「Google trend」「ツイッター」「YAHOO知恵袋」の3種のサイトで、そのキーワードがどの程度出現するかということを見て、その扱われ方を把握するということです。
これを「ソーシャルリスニング手法」というそうですが、たとえばGoogleで「オリンピック 中止」「オリンピック 開催」で検索した件数がどの程度かということを測っていくということです。
これで見ていくと、見事に傾向は似通っており、1月に中止の傾向が強かったものが3月にはかなり下がって開催意見が強まったものの、5月には中止が急増するという結果でした。
どうやら、これは感染状況とそのまま通じる傾向のようです。
1月には昨年末からの感染拡大の傾向が続いていましたが、3月にいったん収まりました。
しかしその後再拡大し5月くらいが最も悪かった時期です。
結局、人々はオリンピック開催のリスクを判断するのではなく、その時の感染リスクで判断して開催か中止かの意見を決めているということでした。
まあ常識的な結果になったのですが、この先はやや収まりかけていることから開催へと世論も傾くのでしょうか。
そして、数週間後にはまた感染急拡大になるでしょうから、直前になり開催への反発が急増するということになりそうです。
しかし、先の事を全く考えずに動くというのは政府だけかと思ったら、世論の側もそうだったということでしょう。