爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「私たちはなぜ石炭を使い続けているのか」、それがエネルギー不足を緩和する一番良い方法だからです。

Forbes Japanというサイトに出ていた記事が「私たちはなぜ石炭を使い続けているのか」というもので、書いたのはそこのコントリビューターという、Enrique Dansという人物です。

スペインの情報システム教授ということです。

forbesjapan.com

「パリ協定目標達成のために一番の障害となる石炭使用をすぐにやめるべき」であり、それに逆らっているのは日本や中国、インドであるということです。

 

「パリ協定達成」などに何の価値も見いだせず、「世界のエネルギー確保」を見通したい私としては全く逆の見方をしています。

 

ただし、石炭撤退はそれほど順調ではないようです。

実際のところ、石炭火力発電は採算の取れない産業であり、大手投資ファンドのほか、アイルランドノルウェーなどの政府系ファンドも撤退しているものの、われわれはこれからどうしても脱却できないようだ。先進国は長年にわたり石炭に頼りってきた(そして今も頼っている)が、だからと言って、発展途上国が同じことをしていい理由にはならない。世界の炭素排出削減目標を達成するためには、石炭火力発電を続けている国に対して非難や制裁、孤立化の措置をとる必要が、いつかは出てくるだろう。

石炭よりもかなり安価で土地をより有効に利用できるエネルギー源がすでに存在する今、石炭火力発電は直ちに中止すべきだという点で、科学界は一致している。石炭は時代遅れで有害なテクノロジーであり、とうの昔に見捨てられるべきだったものだ。私たちは何をためらっているのだろう?

 

「石炭火力発電は採算の取れない産業」にしているのはどこの誰でしょう。

石炭のコストも、装置の建設の容易さ、運転の安全性も、電力の供給能力もすべて問題ない石炭火力発電を、「採算の取れない」ように無理やりにしてしまおうとしているのは欧米各国です。

 

「先進国が長年石炭に頼ってきたが、だからと言って発展途上国が同じことをしていい理由にはならない」というのは、まさに「先進国の横暴」理論です。

中国と同じようにこれに反発するというわけではありませんが、この部分だけでも納得できないと感じます。

 

「石炭よりもかなり安価で土地をより有効に利用できるエネルギー源」とは一体なんのことでしょう。

まさか、風力発電?、さすがに原発ではないでしょうね。

そんなものがあるというなら、「科学的に納得できる数値」を示すべきですが、前にも書いたように「最先端の科学者」でもそれをまともに示すことができているとは言えないと考えています。

 

「私たちは何をためらっているのだろう」

はい、こういった似非科学者たちが言うことを信じて、破滅的な「エネルギー不足」状態になることを怖れているのです。

 

何度も言います。

「石炭はこれからのエネルギー供給不足の時代に起こりうる悲劇的状況を少しでも緩和できる最後の手段なのです。二酸化炭素排出が多いからダメだなどと言う変な理由で捨てされば、人類の危機的状況をもたらすでしょう」

ただし、石炭火力発電にもいつまでも頼るわけには行きません。

それ以前の段階から、エネルギーの大量使用という状況を改めて少しでも早く脱エネルギー社会への移行を進めるべきなのです。