爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「四字熟語で読む日本史」河合敦著

「四字熟語」と言うと、故事成語に基づくもので教訓などを含むものといったイメージですが、この本で言うものはそこまで慣用句として使われているということではなく、あくまでも「4文字でなる言葉」と言った程度のものです。

それを導入部にして歴史を分かり易く説明したいという、そちらの意図の方が強いようです。

 

そのためか、普通ではあまり四字熟語としては扱われない、「条約改正」や「世界大戦」、そして漢字ですらない「モガモボ」や「逆コース」なんていうのも入っています。

 

そういった熟語を3つ挙げ、それでその時期の歴史の流れを説明しています。

 

例えば最初の幕末維新期では「尊王攘夷」「公武合体」「武力討伐」が一組で、1824年の水戸藩において尊王攘夷思想が成立した頃から1863年幕府の武力討伐を決定するまでの流れをざっと説明します。

 

また大正時代の女性運動興隆の時代は「婦人運動」「職業婦人」「モガモボ」で代表しています。

まあ的確な選択と言えるでしょう。

 

私も歴史好きと言ってはいますが、明治後期から大正昭和の前半までといった時代についてはあまり知識もなく、特に政党政治や軍部の伸長といったことについては疎いものですから、この本も結構参考になります。

戦争突入に至る時代背景にはやはり明治憲法というものの欠点が大きく関わっていたということがよく分かります。

現在の憲法の欠点もこの後何か起きたらすぐに指摘できるということになるのでしょうか。

 

四字熟語で読む日本史 (学研新書)

四字熟語で読む日本史 (学研新書)