爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「研究不正」について、NEWSWEEK JAPANで岩本伸宣さんが書いています。

この記事の表題は「日本で研究不正がはびこり、ノーベル賞級研究が不可能である理由」というものですが、まあ「ノーベル賞」云々は読者の目を引くためのものであり、記事の主要な点はあくまでも「研究不正」に関するもののようです。

www.newsweekjapan.jp岩本さんはノンフィクションライターとなっていますが、科学関係のものが多いようです。

 

記事の始めは、「撤回論文」についての文章です。

撤回論文は内容に大きな問題があり、投稿した著者自らが取り下げるもので、科学論文の場合は研究の方法などに不正があった場合が多いようです。

 

この撤回論文の回数などを調査し発表する、「Retraction Watch」というウェブサイトがあり、それによると論文撤回の回数が多いベスト10のうち4人を日本人が占めていたそうです。

 

これらは、あくまでも個人の問題とする見方もありますが、岩本さんは日本の科学界全体の問題がここに現れてきていると見ています。

 

その問題の根源にあるのは、「研究資金不足」

主に国公立大学では国からの研究費がその財源ですが、それが減り続けています。

また、大学では学生の教育に時間がかかり、研究に使える時間も減っています。

 

特に若手の研究者の場合は状況が深刻で、とても研究に専念できる状態ではない人がほとんどです。

 

これでは、将来のノーベル賞級の研究などはできるはずもないということです。

 

やはり、とにかく研究費の増額、さらに大学を教育と研究に分けるという根本的な改革が必要なのでしょう。