爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

夢の話「細菌の属種同定」

またやけにリアリティたっぷりの仕事の夢を見てしまいました。

 

私は会社の研究所で、微生物の属種同定をする部署の責任者です。

とはいえ、部下はいないようで自分一人で細々と仕事をしています。

 

別部門の研究者が同定試験を実施したという結果を持ってきますので、それに目を通して妥当であれば承認するといったことをやっています。

 

細菌では光学顕微鏡で観察した形態の知見も重要ですので、そのチェックもしているところです。

 

出てくる人々もかつて(20年以上前)在籍していた会社の研究所のメンバーのようです。

 

しかし、そろそろDNAの分析もしてそのデータを活かすべきではないかと言う議論になっています。

私はDNA分析はほとんど経験がないので、迷っているという夢でした。

 

 

ここからは恒例の夢と実際との違い。

 

微生物に限らず、生物の属種(ホモ・サピエンスとかいうものです)を決定するということを「同定する」と言います。

仕事で生物同定をやっていたのも事実ですが、これも学術的なものではなく主に特許取得のためのデータとしてのものでした。

何かの微生物の特許を取るためにはその特定をしなければならず、生物種同定も必須でした。

そのため、今でも特許検索をしてみると私の名前が残っているものがあります。

 

今ではDNA分析手法が長足の進歩をしていますので、そちらを行うのが常識となっていますが、私が実際に担当していたのは20年以上前、まだPCR装置も研究所に数台しかなく、それに使う試薬がまた高価で、ちょっとやそっとでは利用できないものでした。

今のようにPCR装置でウイルス検査を何千件などという話は夢のようです。

 

ただし、生物種というものはDNAから決まっているわけではありません。

種と言うものが先にあり、その遺伝子を分析してどれだけ似ていればその種に入るかということも、それほど簡単に決定できるわけではありません。

特に、無性生殖の細菌類の種というものが何のか。

これは、新たに発見した細菌の菌株が「新種かどうか」ということを判断する場合の重要なポイントになります。

どこが違えば別種と見なせるか、そう簡単な話ではありません。

有性生殖の生物では生殖し子供を作れれば同種と言われていますが、例えばラバは馬とロバとの交雑種とされていて、馬もロバも別種の動物ですが子どもはできます。

ただし、ラバには繁殖力がないと言われていますので別種としてよいのでしょう。

例えば酵母のSaccharomyces cerevisiae という生物種は、非常に大きな種でパン酵母から酒酵母、その他多数の酵母種を含むのですが、一種です。

一方、抗生物質を作る放線菌ではかつては生産する抗生物質が違うからといって別の種にしてしまいました。

その基準は共通ではありません。

 

しかし、こういう昔の仕事に直接関連するような夢を見てしまうと、ゆっくりと寝ていられません。

またも早く目覚めて目がパッチリ。

また昼頃には眠くなるのでしょう。