爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

アメリカ共和党、トランプの弾劾裁判否決

トランプ大統領に対して起こされた弾劾裁判も、民主党が多い下院では可決されたもののもともと共和党の議員数が多い上院ではほとんど造反議員も出ないまま否決されました。

民主党が何を狙って起こしたのか疑問の残る裁判でした。

www.nikkei.com

上院での採決では、権力乱用については造反議員1名、議会妨害ではそれは無かったようです。

 

国会での採決で党の方針に逆らう議員がほぼ皆無である日本の感覚では何も疑問を感じないでしょうが、アメリカの議院では議員はそれほど完璧に党の言うことを聞くばかりではないはずです。

それでも大統領の資格を問うこの一点では譲れないものだったのでしょう。

 

しかし、「本当に共和党の議員は皆トランプ大統領を支持しているのか」という点については疑問を持たざるを得ません。

 

歴史的には異なるイメージがあったようですが、最近では共和党保守主義、大企業寄り、宗教的といったものです。

民主党はリベラル、労働組合寄り、黒人などをも取り込む支持層というところでしょうか。

共和党 (アメリカ) - Wikipedia

 

ところが前回の大統領選挙では民主党候補のヒラリークリントンが富裕層出身であることを攻撃し、あたかも民主党がグローバル大企業寄りであるかのような宣伝を巧妙に仕掛け、自身が現に富裕層であるトランプがそれに対抗するかのような幻影を振りまき奏功しました。

トランプに投票した人々もこれまでの共和党支持層とは必ずしも一致していないはずです。

 

共和党議員は実際はそれまでの通念通りに大企業寄りの立場の者が多いと思いますが、トランプの政策と本当に一致しているのでしょうか。

移民の締め出しや、中国との貿易戦争など、これまでの共和党支持の大企業の方針とは抵触するようなものではないかと思いますが。

それとも、トランプがついでに行なっているだけのように見えるイスラエル寄りの姿勢が福音派とやらの宗教的支持層に受けているだけなのでしょうか。

 

しかし、とりあえず次回の大統領候補には共和党からはトランプ以外の動きは無いようです。

民主党の惨状から見ればトランプ再選の公算が非常に強くなったようですが、民主党アメリカ国民がそれでかなり困るという以上に、共和党の政治家たちも「本当に大丈夫なの」と他人事ながら心配になってしまいます。

 

田中宇さんが「国際ニュース解説」で繰り返し主張しているように、トランプはアメリカの「軍産複合体」体制を崩し、アメリカの単独覇権を放棄しようとしているということが本当なのかもしれないと思わせるような状況になっていますが、それで困るのはアメリカ共和党自身なのではないかと感じてしまいます。