爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「世界の有名シェフが語る マンマの味」ミーナ・ホランド著

イギリスの著名なフードライター、ミーナ・ホランドさんが、主に家庭料理についてのエッセイと、それに関連して有名シェフにインタビューしたものをまとめたものです。

 

伝統(卵)、即興(パスタ)、自然(豆)、バランス(調味料)、ウーマン(じゃがいも)、肉食(野菜)、執着心(ヨーグルト)、一緒に食べる(スパイスとハーブ)

の8つのテーマと、それに関連した食材、そしてそれを使った料理のレシピといったものが含まれています。

 

8人のシェフとのインタビューも、多くが女性ということもあるのかもしれませんが、育った環境での家庭料理に関することがメインになっていたようです。

 

なお、著者のホランドさんは厳密ではないもののベジタリアンであるため、肉・魚の料理についてはあまり触れられていません。

主に、野菜、穀物、といったものが中心ですが、乳製品はOKなのかヨーグルトやチーズも扱われています。

 

本人のエッセイ部分、シェフとのインタビューでも、子供の頃の母の作った(今は男女の違いを言うのは難しいのでしょうが、やはりかつての家庭料理はどうしても祖母か母が作ったものだったようです)料理の思い出というものが大きな位置を占めています。

著者の同居人であるフレディは今でもチキンのパン粉焼きとローストポテトばかり食べていますが、フレディの母のその料理は抜群だったとか。

 

日本などアジアの食材もイギリスで普通に使われているようで、野菜のレシピのコーナーでは「サヤインゲンの味噌炒め」が紹介されていました。

ただし、味噌の種類にまではこだわらず「赤味噌でも白味噌でも可」となっていました。

 

調味料は英語でseasoningと言いますが、これを著者は「最初はおかしな言葉だと思った」そうです。

そして、「季節外れの材料を調整するものだから」シーズニングでも良いかと納得したそうです。

この辺の語源については、イギリス人でもわからないのでしょう。

 

家庭での料理の献立として「牛肉、じゃがいも、野菜」というのは普通のものですが、これを誰もが「肉と野菜二品」と表現するでしょう。

肉料理は色々なものに代わることもありますが、ジャガイモはいつもそこに居ます。

ダイアナ・ロスがスポットライトを浴びている時の、シュープリームスの残りの2人のような心境なのではないだろうか」という文章は、シュープリームスを見ていたものに取っては面白い表現でした。

 

料理のレシピは多数掲載されていますが、それほど難しいものではなく、作ろうとすればできそうです。

一例として、著者の大好物という「ローズマリーポテト」

ジャガイモはお湯で茹でる

フライパンにオリーブオイルを入れ、ローズマリー4本とにんにく5片を入れ火をつけて香りを移す。

ジャガイモに火が通ったらフライパンに入れて表面がカリカリになるまで焼く。

ブラバソースなどのソースを添える。

だけですので、簡単なようです。

 

世界の有名シェフが語るマンマの味

世界の有名シェフが語るマンマの味