中国の物語としては西遊記のほかにも紅楼夢や三国志演義など有名なものがいくつもありますが、そのすべてについて「続記」や「補記」などと称した後代の作がいくつも書かれています。
この本もそういったものの一つで、西遊記を題材に明末清初の時代の董説、字が若雨が書いたものですが、その構想はなかなか広大なものでさらに細かいところまで気を使って書かれた様子です。
三蔵法師一行が旅の途中、悟空が一人食べ物を探しに飛び回っていると得体の知れぬ宮殿に入り、さらに色々な世界に入り込んでいくというもので、始皇帝や項羽、宋の秦檜や閻魔大王まで出てきてドタバタを繰り広げます。
そのあたりも当時の中国での人物評定に則って表現されており、一見型どおりとも見えますが、なかなか奥が深いのかも知れません。