爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「どうして勉強しなくちゃいけないの?」藤田徳人著

医師ですが行動心理学も研究されている藤田さんの本ですが、てっきり教育論だと思いましたがそうではなかったようです。
とはいえ、市立図書館でも教育コーナーに置かれていましたので、そう思わせるようなのは確かです。

現在は実際に戦闘が行われている地域もありますが、日本ではテロも含め戦闘行為というのはほとんどありません。しかし、経済的には食うか食われるかの経済戦争とも言うべき状態であり、それが日ごとに激化しているというのが著者の主張です。
そのような経済戦争の中で子供達が生き残っていくには学校で勉強に精を出し、少しでも学力を上げて社会的により特権を持てるようになること、それが勉強をしなければならない理由だということです。
かなり刺激的な主張ではあります。

社会的な特権を得ればどうなるか、異性にもてるようになるということです。それを子供に理解させることが子供を勉強に向かわせる一番の方策だということです。
この辺の主張はおそらくかなり当たっているところもあるんでしょう。行動心理学というのは動物でもよく見られる行動が人間にも当てはまるということでしょうが、その辺もうなずかせることもありそうです。

ただし、学校で勉強することが本当に社会的に特権を得る方法なのかどうか、教育論的にはそちらの方が興味があったのですが、それについては詳しい解説はなく当然そうなのだという主張に終わったようです。そのあたりが納得できれば以下の論陣も受け入れられるのかもしれませんが。