爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「理系バカと文系バカ」竹内薫著

物理学を専攻した理学博士でありながら、科学ライターとして活躍している竹内さんが書いたもので、最初のところは理系バカ、文系バカの特徴などというところから入っていくので軽い内容かと思いましたが、だんだんと理系の苦境とか、文系でも理系素養が必要とか、かなり真面目な内容に入って行って、結局は文理融合人材になることという硬い内容になってしまいました。

自分は理系とはいえ生物関係なので、物理数学のような典型的理系というものとは相当違うとは思っていますが、理系バカの特徴というもののうち、いくつかは当てはまるようです。
理系の優れた点は分析力でしょうか。文系ではコミュニケーション力でしょう。その両方を持つ人材というのは確かに相当パワーを持っているでしょうが、そうなるのは大変です。

なお、以前よく言われていたのは、「理系は文系より収入が少ない」ですが、その当時の話では金融関係の人間の生涯賃金は高いが理系の主要な就職先の製造業は比較的低いというものでした。しかし、文系といっても全部が金融業に携わっているわけではなく、ごく一部でしょう。
理系文系の話より、金融業が収入が多いという状態が良いものかどうかという話だと思うので、あまり妥当ではないと思うのですが。