爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「朝鮮三国志」小田切泰経著

朝鮮にも三国時代があったということは知ってはいても詳細はあまり聞いたことがありませんでした。
紀元前後から最終的に新羅が統一するまでの間、争いを続けながら並立していたもので、登場人物も各時代三国それぞれに数多くの人々がいて活躍したようです。
中国の三国の場合は三国志と言う広く流行した書物のおかげで、ポピュラーになっていますが、そういった物語が紹介されていなかったこともあり親近感も湧きにくい面がありそうです。

しかし、韓国のドラマではこの時代を扱ったものもあるようです。ただし、どの程度まで史実を反映させているかは不明ですが。

また、南部の新羅百済関係のところでは日本との関係もかなり強く、特に最後の百済滅亡の時には相当深く関わっていたはずですが、日本側の資料も史実とは大きく異なっているようですので、どこに実態があるかわかりにくいものです。

最初のころに力を持ったのは北部の高句麗で、広開土王(好太王)の時代にはかなり広い範囲を勢力化におき、当時中部に建国していた百済を南部に押し下げたようです。そのために南部にあったという加羅諸国は百済新羅に吸収されてしまいました。新羅はその頃はまだ建国したばかりで勢力も弱かったようです。

高句麗は中国からもっとも近いこともあり、隋や唐により征討軍を送られ健闘したものの結局は大きく力を削がれてしまい、百済新羅の勢力を強くすることになってしまいました。

最後の大事件はやはり唐新羅連合軍と百済倭の連合軍が戦い、結局百済が滅亡するに至った白江周辺の戦いでしょう。しかし、その後も唐が新羅百済の地の主権を争ったと言うことは知りませんでした。昔から覇権主義だったようです。