爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「人はなぜ逃げおくれるのか、災害の心理学」広瀬弘忠著

著者は災害心理学が専門の東京女子大教授ということで、災害時の心理についての分析を解説しています。
2004年の出版ですので、当然東日本大震災は触れていませんが、数々の災害における人間の行動が扱われています。

細かい点は触れませんが、一つ面白い話としては、災害時の心理としてパニックばかりが喧伝され、そのため実際にそれを恐れて火災など発生時にすぐに連絡されず死者が多く出る事例が数多いようですが、実はパニックを起こすということはあまり無く、逆に正常性バイアスといってどんなに危ない状況でもそれを理解することができずたいしたことはないと思って動かずに危険に巻き込まれることの方が多いとのことです。

地震時の津波などもその傾向があったのではないでしょうか。