爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「ビリヤードを100倍楽しむ本」袴田宜伸著

ビリヤードというものはほとんどやったこともないのですが、ビリヤードライターという袴田さんが書かれた本を読んでみました。大正生れの私の父親は若い頃にはビリヤードをやったこともあったようですが、最近都会の一部ではプールバーなどというものもあっ…

「なぜ日本人は学ばなくなったのか」斎藤孝著

明治大学教授の教育学者の斎藤さんの本は以前にも一度読んだことがあります。現在50台半ばの方ですが、やや古風な教育観を持っておられるようです。本書の最初は教養に対する”リスペクト”というものを失った現代日本の特に若者に対する強烈な批判から始ま…

サッカーワールドカップ

少しは面白くなるかと期待していたワールドカップも予選が終わってしまい、少々がっかりでした。 日本の選手のレベルもかなり上がっていたかと思っていた人も多かったのではないでしょうか。なにより選手自身がそう思っていたようで、当人たちのインタビュー…

「エネルギーとコストのからくり」大久保泰邦著

NPO法人「もったいない学会」の副会長田村八洲夫さんの著書「石油文明はなぜ終わるか」の書評はつい最近書きましたが、これは「もったいない学会」のもう一人の副会長、大久保泰邦さんの同じテーマの著書です。 田村さんの著書はかなり専門的な内容で詳細な…

「これは、温泉ではない 温泉教授の温泉ゼミナールⅡ」松田忠徳著

温泉研究で有名な大学教授の松田さんが2004年に出版した本です。ちょうどその頃はいわゆる温泉施設、スーパー銭湯などでレジオネラ感染が頻発し、死者も出ていた状況だったので行政側の対応でも塩素殺菌を求めるなど、温泉の安全性と温泉の価値というも…

「石油文明はなぜ終わるか 低エネルギー社会への構造転換」田村八洲夫著

著者の田村さんはNPO法人もったいない学会の副会長で、もったいない学会のホームページのコラムでは数々の文章を発表されており、そこではあれこれ読ませていただいていました。しかし、今回たまたま都会の方に出て行く用事があり、大きな書店で本を見ていた…

「恋する落語」稲田和浩著

演芸の脚本などを書かれている稲田さんが落語に見られる男女間の描写をあれこれ書いています。古典落語では江戸時代の庶民の生活の描写が多いのですが、江戸では出稼ぎ者が多かったこともあり男女の人口数の差が大きかったことは知られています。また今のよ…

「たくらむ技術」加地倫三著

著者の加地さんはテレビ朝日のプロデューサーで、「アメトーーク!」や「ロンドンハーツ」といった番組を作っているということです。 実はどちらの番組もほとんど見たことはないのですが、なかなか人気のある番組のようです。著者も認めているように、現在の…

「世界の歴史5 中世ヨーロッパ」堀越孝一、三浦一郎著

社会思想社の現代教養文庫のなかの、世界の歴史と題されたシリーズ12巻の中の1冊です。 これは1974年に初版発行されていますが、社会思想社は2002年に倒産してしまいました。 世界の歴史シリーズはこの巻の著者の一人の三浦氏のほかに、山口修、山上正太郎と…

サッカールールの脆弱性

ワールドカップサッカーも連日の熱戦(とがっかり)が続いていますが、普段はほとんどサッカーも見ない私も世界最高水準の試合を楽しんでおります。さて、バスケットボールなどのように一試合で何十もシュートが決まるスポーツと違い、サッカーでは数本のシ…

「”慰安婦”問題とは何だったのか」大沼保昭著

著者は国際法学者である一方、ながらく在日韓国・朝鮮人問題やサハリン残留韓国人の帰国問題などに携わってきたのですが、1990年代に従軍慰安婦問題が大きく取り上げられる中で”アジア女性基金”の設立と運営に参加し、苦闘された人です。私自身も当時はこの…

「イギリス史10講」近藤和彦著

著者はイギリス近世史が専門と言うことですが、古代から10章に分けて一般向けにイギリス史全般を解説しました。範囲ですが、グレートブリテン島、アイルランド島などを含むブリテン諸島と言われる島々です。現在の国としては連合王国とアイルランド共和国で…

「笑いのこころ ユーモアのセンス」織田正吉著

演芸作家の織田さんが、笑いやユーモアについて非常に学問的に解析しておられます。したがって、この本はほとんど面白みはありません。漫才や落語など、商品としての笑いというものと日常生活の中での笑いの要素というものを最初に対比させて述べています。 …

「ACTION 日本崩壊 五つの難問を徹底追跡する」日本テレビ報道局

2008年当時に製作されていた日本テレビのACTIONという番組で取り上げていた5つのテーマをまとめたものです。 それらは、食品の偽装表示問題、医師減少による医療崩壊、教育現場の混乱、リサイクルの崩壊、幼女連続殺人事件です。 食品偽装表示は当時の大問…

「あなたは常識に洗脳されている」苫米地秀人著

常識として身につけていることが実は間違っていて、誰かに利用されているだけだと言うスタンスでいくつもの例が挙げられているのですが、それがどうも変なことばかりで、読みながら頭がくらくらするような気がします。著者は計算言語学(なんじゃそりゃ)の…

「時代小説が書きたい!」鈴木輝一郎著

時代小説も数多く書かれている著者が、小説家とくに歴史小説や時代小説を目指す”中高年”のためにあれこれと指導されている内容です。現代小説は若い人でなければ無理ですが、時代小説はそもそもライバルが司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎などすでに亡くな…

「日本人は知らない”地震予知”の正体」ロバート・ゲラー著

著者は地球物理学者ですが、アメリカの大学で日本人の地震学者と出会い、その縁で来日して東京大学で研究を続け東大初の任期の無い教授(正式の教授と言う意味)になったという人です。 最近は地震予知批判でテレビにもよく出演しているとか。私は見たことが…

「関数とはなんだろう」山根英司著

著者は大学教授のようですが、著者紹介欄の最初には「数学愛好家」とあります。 今から数十年前、大学受験の数学はそれほど苦手と言う方ではなかったのですが、大学に入り教養科目で解析学をやって途端に雲の中に迷い込んだように感じてそれきりよく分からな…

「キノコの教え」小川眞著

菌類学(キノコなど)が専門で森林総合研究所で研究をされた後独立された小川さんが一般向けにキノコについて書かれた本です。キノコがどのように進化してきたかと言うことは、化石がほとんど見られないために良く分かっていないようです。しかし、植物とと…

「私の祖国は世界です」玄順恵著

日本ばかりでなく世界的にもますます国家主義・民族主義の強化の傾向が強まっているように見えますが、その中で表題のように言い切ったものは珍しいということで題だけで手に取り読んでみました。著者の玄順恵(ヒョン・スンヒェ)さんは在日朝鮮人で、作家…

「気候で読み解く日本の歴史 異常気象との攻防1400年」田家康著

著者の田家(タンゲと読むそうです)さんは金融関係にお勤めの傍ら、気象予報士の資格も取り現在は気象予報士会東京支部の副支部長という方です。 専門の研究家ではないのですが、巻末の参考文献リストも膨大なもので、非常に広く勉強をされている様子が分か…

「サッカーでメシが食えるか?2」スタジオ・ダンク編・著

巨大な金が飛び交うヨーロッパサッカーと比べるとはるかに小ぢんまりしたような日本サッカー界ですが、それに関係する色々な職業で生活費を稼いで暮らしていけるかどうかということを実例をあたって紹介しています。 10年近く前の本ですが現在でも大差はない…

エネルギー文明論「中国の海洋進出」

中国のなりふり構わぬ南シナ海での行状は毎日のニュースで報じられ、尖閣諸島近辺の動向も緊張を高めています。 日本などは「力による領土変更は許されない」などと抗議をしていますが、中国は聞く耳も持たないようです。しかし、中国が何をしようとしている…

「ニッポン定番メニュー事始め」渋川祐子著

食文化に関する著作が多いフリーライターの渋川さんが連載記事としてよく食べられている定番メニューの発祥について書かれた物をまとめて加筆したということです。 ただし、相当なこだわりを持った調査方針で、いわゆる「元祖」というものを信じることなくで…

「世界人名ものがたり」梅田修著

世界人名というと少し広すぎるようですが、ヨーロッパの個人名(ファーストネーム)について英文学者の流通科学大学教授(当時)の梅田さんが一般向けに解説したものです。ヨーロッパの個人名はキリスト教の天使や聖人の名前にちなむものだという感覚でいた…

「ほんとうの環境問題」池田清彦、養老孟司著

生物学者の池田さんですが、温暖化問題について積極的に発言しているために相当批判も受けているようです。しかし、素人から見るとどうも池田さんが言うことの方が納得できることが多いように感じられます。 その池田さんが養老さんとともに著した本です。池…