全世界でかなり話題となっているらしい、ユヴァル・ノア・ハラリさんの新著です。
そんなことは何も知らずに、図書館で新刊書ということで見つけ、面白そうな題名だと借りてきました。
すると、ちょうどその日の夕方のテレビにハラリさんのインタビュー番組が。
相当話題になっている人だということを初めて知りました。
前著の「サピエンス全史」というのが世界的なベストセラーとなったとか。
それに続く話題の書と言うのがこの本です。
ハラリさんは歴史学者であり、おそらく前著も歴史を語った本だと思いますが、本書では歴史から一歩踏み出し未来の話をしています。
ホモ・サピエンスとは、言わずとしれた現生人類の学名、ホモは「ヒト属」、サピエンスは種名で「賢い」を意味するラテン語から来ています。
ホモ・サピエンスはやがて神の領域に達してこういう名前になるだろうという、ハラリさんの予測によります。
本書は上下2巻であり、今回読んだのは上巻のみで、本来ならば下巻まで読み通してから書評を書くべきなのでしょうが、すでに上巻の最初を読んだだけで分かったような気分になりましたので、ここでまとめておきます。
下巻を読むかどうかは分かりません。体力気力が十分ならば読むかも。
しかし、人類が各文明そろって宗教というものを発展させた時期から、すでに動物ではなくなったという指摘は鋭いものでしょう。
そこでは、「神」というものを創造したのと同時に、人類は動物から別れて離陸し神に近づいていったと言うことが起きていました。
動植物を人類の好きなように利用するということを、合理化して良心に恥じること無く実施できるようにしてしまいました。
これは、徐々に神の領域に近づいているということだったのです。
そして、バイオテクノロジーやAI技術の長足の進歩を手にした人類は、ここでさらに高度を上げ神に近づいていくだろうということです。
以下は、私の個人的見解。
歴史学者である著者のハラリさんは、それでも現代の科学技術について非常によく調査研究されているということが分かります。
しかし、残念ながら技術者の誇大宣伝に少し踊らされているのでは。
この本に取り上げられている技術分野ではおそらく言われているような段階にまではいずれは進んでいくでしょう。
それ以外の、重要な分野ではすべてうまく行くとは限らず、そこが大きな破れとなって現代科学技術全体が潰れる危険性もあるのではと思っています。